昨年日本に滞在していた時に、ホテルの部屋でテレビを久しぶりに見ました。
チャンネルを変えていた時、ふと手を止めた番組がありました。
「5080問題」を扱った20分くらいの番組でした。
内容は年老いた母親と子どもの二人暮らし。
母親の年金で、なんとかその日その日を過ごしている様子をテレビは映し出していました。
息子さんが年老いた母親を看護しているのですが、その息子さんは高校時代にいじめが原因で不登校となり、その後ひきこもりました。
実に30年近くひきこもっていた息子さん。
「精神科や支援団体に相談に行って、アルバイトもしたけれど、長続きはしなかった。」とお母さんがインタビューに答えていました。
番組の司会者が、「この状態になるまでになんとかできなかったのかと悔やまれます。」との言葉で番組を締めくくりました。
なんとも気が重くなる時間でした。
でも、「僕は見なければいけないんだ。」と自分に言い聞かせて、最後まで見ていました。
明日の俺かも知れないし。
この番組を見て思ったことは、「小手先の支援ではダメだ。」と言うことです。
30才過ぎてようやく支援団体に助けを求めたその人ですが、やはり遅かったと思います。
色々と資格を取ったと説明がありました。
でも残念だけれど、その程度の資格では、仕事には結びつきません。
年齢を重ねれば、重ねるほど高度なスキルがなければ仕事にはつけないのです。
誰もが簡単に取れる資格程度では、仕事につくには効果がないのです。
もちろん、アルバイトはいくらでもあります。
でもアルバイトでは将来設計はできません。
僕は多くのお母さんと相談会で出会いました。
その場で「せめてアルバイトでもしてくれれば。」というご意見を、お母さんからたくさん聞きましたが、はっきり言います。
「アルバイトではダメなんです。」
10代なら、まだアルバイトを人馴れする練習として、考えることもできますけれど、20代過ぎてしまったら、アルバイトをさせることは時間の無駄です。
履歴書には、アルバイトは職歴として書くことはできないのですよ。
高校、大学卒業後の新卒扱いですと、仕事はたくさんある日本です。
しかし、そこから外れてしまうと、たちまち仕事探しに苦労するのです。
もちろん、1、2年程度の遅れですとまだ会社側も大目に見てくれます。
しかし、僕たちのようなケースですと残念ですが、絶望的です。
高校中退後ひきこもって10年。
20代後半。
これが4年前にサポートセンターがおこなった「大人のひきこもり」400人のアンケート結果です。
劇団兄いさんも、東大さんも頑張って学校に行って資格をとりました。
そして仕事につくことができたのです。
残念ながら、僕たちのような状況のひとたちは、人1倍大きな努力をしないと社会にはもどれないのです。
だから、サポートセンターは、30代でも40代でも、なんと50代の人にも学校に行くことを勧めて卒業まで支援を続けているのです。
と言うことを、やっとこの私も理解したと言う現在であります。
男、ヒロやりますよ!!
見ていてください皆さん!!
おいらは程度の悪いアスペルガーの希望の星になりますよ!!
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