フィリピンでもそばを食べられるのは嬉しいです。
東大大学院で、担当教授から、就職に関しての推薦をもらえないことで、ぼくの人生は終わったと思いました。
そしてひきこもったのです。
30年間も。
しかしひきこもっていた時期に何もしなかったわけではありません。
ひきこもった当初はアルバイトをしてみようと考えました。
しかし、履歴書を書くことができなかったのです。
「東大を出たのにアルバイトですか?」
そう聞かれるに違いない。
そうしたらなんて答えたら良いのか。
高校も誰もが知っているような名前の高校でした。
高校の名前を書いたら、「どこの大学に行かれたのですか。東大でしょうね。」と聞かれることは、想像力が乏しいぼくでも想像できたことです。
履歴書を書くことができなかったのです。
嘘をつこうと考えました。
でもそうすると近所では働けない。
電車に乗って、他県にまで行かないと知り合いと会う可能性が大きいですから。
でもそうすると・・・・・・。
「なんでアルバイト程度でわざわざ遠くまで来られるのですか」と絶対に聞かれると思ったら、怖くなって実行できなかった。
「なんとかしないと。せめてアルバイトでも良いので、早く働かないと、自分はダメな人間になってしまう。」という不安な気持ちが僕を襲った。
人混みの中にいると、いろんな声が聞こえて来た。
「あの人、東大を出たのに、アルバイトですらできないんだって、生きている価値ないね。」
「うちらより程度悪いじゃん。ハハハハハハハハハハ。」
さっきから女子高校生たちがぼくの方を見て笑っている。
ああ、今、すぐ後ろに彼がいるんだ。
そしてぼくの肩に手をかけてこういうんだ。
「あれ、◯◯じゃないの。俺だよ、高校の時に同級生だった△だよ。お前どこに就職したの?」
「大変だ。今すぐここから逃げ出さないと。」
僕の心がそう命令する。
気がついたらぼくはその場から走って逃げ出した。
誰もいない、安心できる場所に今すぐ退避せよ。
歩行者信号が赤に変わった。
そこで青になるのを待っていたら、周りを人に囲まれる。
誰かがサバイバルナイフで僕を刺そうとしている。
立ち止まってはいけない。
逃げるんだ!!
今すぐここから。
助けてくれ。
お願いだからだれか助けてくれ。
助けて。助けて。
死にたくない。
死にたくない。
自分の家に辿りついたら速攻自分の部屋に入る。
雨戸を締め切っていたはずの僕の部屋。
母親が気を利かして、風通しをよくするために窓を全開にしてあった。
急いで締め切る。
そして、押入れに入る。
呪文を唱える。
「僕は大丈夫。大丈夫だ。大丈夫。心配ないから大丈夫。」
なんどもなんども呪文を繰り返す。
あの声が聞こえなくなるまで。
支援してる青年が僕に話してくれたこと。
5年間部屋から出られなかったこと。
聞こえてくる変な声のこと。
周りが怖い。
僕が30年前に感じたことと同じでした。
怖い。
僕たちはその怖さから遠ざかるために、物理的に社会から距離を置くのです。
それが僕たちがひきこもった理由です。
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