東京大学大学院での研究室。
とにかく、みんな成果を上げるために、寝食を削ってまで研究に没頭していた。
それぞれに役割が分担されていた。
それと、期日が設けられていて、その時までにデーターを提出しないといけない。
チームワークで動いているのだから、一人一人に責任が任せられている。
僕も期日までにデーターを提出しなければならなかった。
みんなはデーターを出した。
しかし僕は、決められた日までにデーターを出せなかった。
それが大きな問題となった。
なぜならば、その研究室が取り組んでいた課題が、僕がデーターを出せなかったことで止まってしまったから。
僕たちが取り組んでいた「課題」は、他国の大学でも研究がなされていた。
僕が所属する「東大大学院」が、その課題の結果を真っ先に出すだろうと、周りは思っていた。
しかし、そうならなかった。
その責任は僕にあった。
大きなミスを犯してしまった僕。
教授からの叱責。
僕は怖くなり2度と研究室に行けなくなってしまった。
その時には、自分の何が問題なのかがわからなかった。
ひきこもっていても、時々どうしてこうなってしまったのかと、自問自答していた。
しかし答えは見つからずに30年がたった。
引きこもり状態から、一歩外に踏み出して、サポートセンターでお世話になった。
新しい環境に僕が慣れたら、色々なことを任せられた。
しかし、ことごとく失敗に終わる。
30年前と同じだ。
いや違う。
失敗したら、すぐその場で、どうして失敗したのかを教えてもらえた。
優しいサポートセンターのスタッフたちが、心底丁寧に、どこで間違えたのかを教えてくれたのだ。
そしてまた仕事をする。
しかしまた間違える。
でも、以前とは違うのだ。
どうして間違えたのかを、指摘されるわけだから、少しは成長しているのだ。
そんなことを数年間続けていけば、30年前と比べて、格段に間違えることをしなくなった。
もちろんどんなに頑張っても、苦手なことは依然として残る。
僕は耳から聞いた情報を、整理することがとても苦手だ。
というより、理解できずに聞き流してしまう。
だから一度にいくつかの作業を任せられたら、それに優先順位をつけることができない。
30年前も、そのことで失敗したんだ。
しかし、それも、毎日の徹底した練習でうまくこなせられるようになってきた。
そして今は、仕事に就くことができるまでになった。
「本当に変わったね。」と5年前の僕を知っているスタッフたちが、僕の成長を認めてくれる。
自己理解。
そして、弱点克服の為に練習につぐ練習。
残念ながら、僕たち程度の悪いアスペルガーは、自分1人ではどうすることもできないのです。
やはり支援してくれる人がいて、初めて僕たちは成長することができるのです。
今、僕は1人の青年の支援をしています。
不安が強くて学校をやめてしまった青年。
自信を無くして、5年間ほど自宅から出られなくなってしまっていた青年。
毎日朝から晩まで彼を支援することで、現在、学校に行き続けることができています。
30年前の僕のような彼。
彼が僕のように、人生を無駄にしないようにと願って、支援を続けています。
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