あのう、私、今になってとても困っているのです。
それは基本的な生活習慣がまるでできていないことです。
例えば、睡眠に関してなんですが、いつも8時には寝る準備をして、朝4時に起きて活動します。
仕事で朝早くに活動する人もいらっしゃると思いますが、一般的な話です。
ひきこもっていた時には、朝4時に起きて何をしていたかというと、ゲームです。
それも高校生の時に買ったゲーム機を30年近く使っていました。
最後の方は音が出なくなったり、画面がとても暗くなってしまっていましたが、他にやることがなかったので、それでもやり続けました。
最後には電源が入らなくなってしまいました。
夜は活動ができないのです。
だから、支援してくれているスタッフさんはとても困ってしまいました。
通常は、朝9時からプログラムはスタートして、夜の9時には終わるのです。
人によっては、夜に入浴や明日の準備の練習もあります。
朝4時に起きられてもスタッフさんは対処できないのです。
歯を磨かないこと。
体を洗わないこと。
服を着替えないこと。
手洗いをしないこと。
トイレから出た後も手洗いをしないこと。
脱いだ服を整理しないこと。
穴が空いた服も気にせず着続けること。
鼻毛や耳毛、頭髪のメンテナンス。
靴も指摘されないと、1年間1足で履き通します。
カバンも洗うことを知らないので、手垢がついたカバンを壊れるか、指摘されるまで、持ち続けます。
替えのカバンを買ってもらっても、カバンを交換しなさいと言われない限り交換しないこと。
カバンの中はゴミ箱状態になっています。
カバンの中身を整理すること。
書いていて憂鬱になってしまいました。
こんなにも覚えなければならないことがあるんですよ。
こんなの一部でしかないですから。
50代半ばになってからやるべきことではないですよ。
なんで、身につけられなかったのか?
親が教えなかったから。
私が青木さんにそう言ったら、青木さんがこう言いました。
「あなたには兄弟がいます。その兄弟は大企業に就職して良い役職についています。常識がとてもある方です。」
「あなたには何も教えなくて、兄弟には丁寧に生活習慣を教えたということですか?」
「あなたの様な人たちには、他の兄弟の数倍の時間と手間をかけて習慣化させる必要があるのです。
しかし、今なら早急発見、早期療育が定着しつつありますが、今から40年前には、世間は発達障害なんて知ることもなかったのです。
ですから、親は責められないのです。」
「だから、社会に戻りたかったら、今覚えるしかないのです。」と言われました。
だから毎日やっています。
常識っていうやつを。
やるしかないんです。