人生を楽しむ。
ひきこもっていた時には考えたことがありません。
ひきこもっているお前がなぜ人生を楽しむことができるんだ。
家でじっとしていることしかできない奴は、最低限の生活をするべきなんだ。
誰からもそんなことを言われたことがありません。
でも世の中の皆さんは僕の存在を知ったら、そう思うはずだと思っていました。
だから生きていくことはとても辛かったのです。
そんな僕の悲しみを知らずに、僕の心臓は止まることをせず、身体中に血液を運んでいるのです。
同じ服を着続けていました。
えりがボロボロでした。
服は二着しか持っていなかったです。
見かねた母が買ってきた服にも袖を通さずにいました。
ある時、僕の愛用の服の代わりに、真新しい服が僕の部屋に置いてありました。
「お母さん、僕の服はどこにあるの?」
「服って、あのボロボロの服でしょ。捨てたよ。」
「どこに捨てた!!ねえ、どこに捨てたの。」
「いい加減にしなさい。服ならいくらでも買えるでしょ。」
「せめて、服ぐらい新しいのを着なさい。」
僕は、母の返事を待たずにゴミ箱から僕の服を探し出しました。
そして、母が買ってきた新しい服をゴミ箱に捨てたのです。
今思い出しても、申し訳ないことをしたと思っています。
母が生きている間にそのことを謝ろうと思っていましたが、謝る機会を逸してしまいました。
新しい服を着ることが怖かったのです。
何もできない、何の役にも立っていない人間が新しい服など着てはいけないのです。
僕にはボロボロの服がお似合いなのです。
今思えば、僕は僕に重い罰を与えていたんだと思います。
このような状況は僕だけではなく、多くのひきこもっている人たちに見られるものなのです。
青木も、俊介兄いも、僕も、三郎さんも、みんなひきこもっていた自分自身に重い罰を与えていたのです。
僕はこの正月に休みをもらいました。
「スパイダーマン」の映画を見たのです。
しかし、チケット売り場の前で足がすくみました。
動けないのです。
「映画なんか見るご身分ですか?」誰かが背後で囁いた気がして振り返りました。
パニックになりそうでした。
青木に電話をしました。
「支援している人全員問題ありません。」
「・・・・・・・」
「今日は休みでしょ。」
「ええ、昨晩連絡ができなかったのでその報告です。」
「そうなんだ。東大さんは今何をしていますか。」
「ちょうど映画をみようと思いまして、チケット売り場に来ています。」
「いいね。楽しんでね。映画がどうだったかも、あとで教えてください。もっと人間らしい生活にしてあげないといけないんだけど、本当にごめんね。」
その優しい言葉にもう少しで涙が出るところです。
青木の言葉に押されて、チケットを購入。
館内ではカップルや、親子連れが映画を楽しんでいました。
誰もがしている映画を見ることを僕もできたことを嬉しく思います。
僕はもう自分に罰を与えることをしなくなったのです。
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