一度、3人のアスペルガーたちが一台の車に同乗したんだ。
運転手は青木さん。
大変な渋滞と不慣れな道と、いい加減な俺の道案内で、青木さんは運転に疲れてしまっていた。
いや、一番の原因はアスペルガー3人衆の会話にある。
兄貴分の俺(ヒロ)が名古屋は大須にあるアニメの店の話題を出したんだ。
そうしたら、弟分Aがその話題に反応した。
反応したのはアニメ店ではなく、大須という地だった。
俺は真面目に聞いていた。
しかし、Aの話題が大須のおいしいたこ焼き屋の事だとわかると、
自分の話題、アニメ店の話しを再び始めた。
いつもは寡黙な弟分Bが突然ぼっそと「大須の演芸場って潰れるって本当ですか」と折れたの会話に割って入ってきた。
寡黙なBが口を開けたんだからって言うことで、俺もそしてAも話を聞く体制に入っていたが、話題が演芸場だったので、自分達のトークを再開した。
突然車が路肩に止まり、青木さんはハンドルにもたれかかった。
3人衆が一斉に「青木さん、大丈夫ですか」と話しかけた。
青木さんは手を挙げて「大丈夫、ちょっと疲れただけ」と合図をした。
ほっとした3人衆は再びそれぞれの話題を話始めた。
アニメ
おいしいたこ焼き屋
誰かに話を聞いてもらう必要なんかないんだ。
俺たちは自分の話がしたいだけなんだ。
青木さんがハンドルにもたれかかったままでも、俺たちの話は続いていた。
これが
俺たちなんだ!!
俺たち程度の悪いアスペルガーの現実だ!!!!!
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