発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

スタッフが召されました。青木

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素敵な女性でした。

 

 

彼女は4月にダバオからセブにくる予定でした。

それがロックダウンとなり、飛行機が飛ばずに9月に変更となりました。

彼女を代表の大野の結婚相手として紹介する予定でした。

 

 

素晴らしい女性です。

何事にも情熱を持っていました。

一緒にボランティアをしていた時のことを思い出します。

 

 

ダバオの貧困地区に食料を届けるボランティアをしていた時です。

山間の村で、私たちは歩いて一軒づつ食料を届けていました。

しかし、暗くなってきて、完全に配り終えることができませんでした。

 

 

それでも、彼女は「お腹をすかしている子どものことを考えましょう。ギリギリまで配りましょう。」と私たちを笑顔で励ましたのです。

 

 

貧困地区に住む日本人のお世話もよくしていました。

まるで天使のような女性でした。

 

 

7年間の関わりがありました。

スタッフの期間は4年間でした。

全ての思い出の中の彼女は笑っています。

 

 

そんな素敵な女性ですから、大野にぴったりと思いました。

一旦やめた彼女が9月からまた新しく私たちを手伝ってくれることになったのです。

彼女はセブに来るまでに日本語を少しでもマスターしたいと勉強していました。

毎日のようにわからないところがあると私の携帯に電話をしてきました。

 

 

そんな彼女に異変が現れました。

7月に入って頭が痛いということで病院に行ったのです。

しかし、医者から出された薬では治りません。

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8月5日の彼女

 

 

私は、脳梗塞の兆候を感じていました。

ですから、ダバオ市内にある、〈ダバオドクターズホスピタル〉でMRI検査を受けなさいと提案して、2万ペソ(4万円)を送金しました。

 

 

しかし、彼女が行った病院はローカルの病院で1000円を支払っただけでした。

小さな病院では血液検査程度しかできないのです。

MRIのような機器は〈ダバオドクターズホスピタル〉しかないのです。

 

 

しかし、検査費用は1万円はするでしょう。

仕事についていない彼女も彼女の家族も食べるものがなく、多くを食費に使ったのです。

 

 

8月5日の朝に頭が痛いということで入院しました。

8月6日の午後から意識がなくなり午後3時に召されました。

意識が朦朧とするまでに、なんども私の携帯にメールが送られてきました。

 

 

9月にセブ市に行けることが嬉しい。

大野さんが私を気に入ってくれるかな?

初めて乗る飛行機が怖いことなど。

 

 

突然メールが途絶えました。

 

 

私はなんども電話を鳴らしました。

神様に祈りました・・・。

 

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脳梗塞とわかっても手術に200万円はかかるでしょう。

私が知り合いに掛け合ってお金を借りるように思いつきました。

 

 

飛行機は飛んでいるのですが、色々と必要書類があって揃えるのに2週間はかかってしまいます。

でも、ダバオに駆けつけることはできたかもしれません。

日本人の私が、病院側にパスポートを渡して誓約書を書けば、手術はすぐに行われたでしょう。

 

 

私の過ちです。

救えたのです。

 

 

今まで出会った中で、もっとも尊敬できる人でした。

大野と彼女と私がこの地で支援を続けていく。

そのことを夢見ていました。

 

 

ただ彼女にもう会えなくて寂しいのです。

 

 

お金がない自分を不甲斐なく思います。

近くにいる1人の身内を助けることができなかった私です。

 

 

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