ひきこもり支援の中で、もっとも難しいことは、私たち支援者が当事者に信頼してもらうことです。
信頼してもらえなければ、支援は始まりません。
手紙やメールで当事者と直にコンタクトを取ったり、
ご両親や兄弟との交流があるようでしたら、ご家族から説明していただくようにしています。
実際は、同じ屋根の下に住みながら、会話といえば「ご飯だよ。」「お風呂湧いたよ。」
「洗濯するから、洗濯物出しておきなさい。」「お母さん、買い物に行くけど、欲しいもの何かある。」という程度です。
本人の返答は「おお。」や「カップ麺とポテチ」そんな程度。
まあ、これは会話とはいえませんね。
もちろん、将来に関して親子間で話し合うことができていたら、私たちの所には相談には来られませんね。
ひきこもっているお子さんを持つご家庭では、当事者との会話はほとんどないのです。
中には、20年間息子の声を聞いていないというケースもあります。
ですから、私たち支援団体が当事者からの信頼を得て働きかけるしかないのです。
しかし、それは簡単ではありません。
30年近く支援を続けている青木ですら、悩む問題です。
どうしたら当事者に会えるのか?
信頼してもらうには、どうしたら良いのか?
当事者にはこの先を見通せない不安というものがあります。
ですから、同じような状況だった人たちが、どのようにして社会に戻って行ったのかが書かれているブログ(発達障害な僕たちから)をお伝えしたり、先ゆく仲間が手紙を書いたり、訪問するなどをしてきました。
しかし、それも決定打にはなりませんでした。
現在、訪問している方は13人になります。
内訳は訪問期間が4年目が3人。
3年目が3人。
2年目が5人。
1年目が2人。
※ 中には途中で訪問が中断した方もみえます。
先日訪問4年目になる方が、初めて反応を示してくれました。
小さな反応ですが、本人がなんとかしたいと思っているとわかったのです。
現在、どのようにして、今後の支援に結びつけることができるのかを考えています。
本人から信頼を勝ち取る。
これが「ひきこもっている方への支援」でもっとも難しいことなのです。
そこで私たちはさらに、新しいプログラムを始めることにしました。
それは、フィリピン人スタッフを日本に呼び、一緒に訪問することにしたのです。
日本人の私たちには抵抗がある彼ら。
そんな彼らは外国人なら日本人より抵抗が少ないと考えます。
4年前に実践して成果もあげています。
7月からフィリピン人スタッフが日本に来て訪問をおこないます。
今まで以上に当事者から信頼を得てくれると願っています。
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