フィリピンでのボランティア体験談を多くの人に聞いてもらって、台風被害の支援金を寄付していただく。
その為に俺が会社やキリスト教会を回る役目を任された。
程度の悪い、性根腐った俺が他人の為に何かをするなんて、考える事もなかった。
しかし、フィリピンの子ども達から、励ましをもらった俺は何かで恩返しをしたかった。
素直にそう思ったんだ。
だから、青木さんに言われるままに、話をする旅に出た。
多くさんの人が、俺のつたない話に耳を傾け、時には涙を流してくださった。
俺のポケットにお金をねじ込んでくれたのは、障碍者で生活保護を受けていると言う、高齢者の人だった。
金額は千円。
千円はその人に取っては大金だ。
その熱い思いが俺のかたくなな心に穴を開けたんだ。
「素直になりたい」
「素直になるんだ」
台風被害にあったフィリピンの人たちのお役に立つこと。
そう言われて、俺はフィリピンにいやいや渡ったんだ。
そのボランティアを通して、たくさんの人から「承認」をもらった。
ゴミだ、くずだと同級生に言われ続けて来た俺に。
これ以上傷つかない為に、俺はバリアを張り巡らしていた。
そのバリアを解除した。
全ての人が中学の同級生達のように俺を傷つけるわけじゃない事がわかったから。
そこから俺の成長は加速して行ったとスタッフが話してくれた。
いやな勉強にも必死で取り組む様になった。
いろんな体験をしてみようという事で、俺は映画のエキストラに出た。
台詞付きだ!!
その結果、インターナショナルハイスクールに通学を決断した。
入学はできても、卒業には3年かかるだろうと言われていた俺が、1年と3ヶ月で卒業できたんだ。
バカだと言われていた俺が。
支援学級に行く事を勧告された俺が。
小・中とまともに行っていなかった俺が卒業したんだ。
それ以上に、俺に友達ができた。
日本人じゃない。
中国人、韓国人、インドネシア、マレーシア人、みんな人間だ!!
皆でコンパをした。
皆でクラブに行って踊った。
皆でカラオケに行った。
みんなで誕生会をした。
皆で海に泳ぎに行った。
友達の失恋話に夜通しつき合った。
皆で・・・
これが青春なのか。
青春ってとっても良いものだ。
なくてはならないものだ。
青春を味わえなかった人たちはかわいそうだと思った。
当然大学も行ってみたいと思った。
程度の悪いアスペな俺が大学へ行く?
小・中の俺を知っている連中は驚くだろう。
信じてもらえないだろう。
大学に入って、恋をした。
「お前の恋人は人間じゃない。」
そんな事を言われていたんだ。
でも、人間の彼女から、告白された。
数ヶ月で撃沈したけれど。
初めて、恋をした。
そりゃあ、中学でも良いなと思った女性とかはいた。
いたけれど、自分は人に恋なんかしたらだめなんだと言い聞かせていた。
恋をするって
なんてすてきな事なんだろう。
恋は人を成長させる。
程度の悪いアスペな俺でも成長するんだ。
何度目かの恋との巡り会いの中で、俺は感じたんだ。
「大丈夫」だって。
「はぁ?お前はっきりと目に見えて変わった事なんかねえじゃん」
「何言ってんの?」
変わったんだ。
それも大きくね。
「幸せ」っていうフレーズじゃないけれど。
「やれる」
「やってやる」
そんな言葉が頭をよぎる。
全身の血管の中を、情熱が駆け巡る。
そうか、大統領の言うところの、リングに俺も上がっていたのか。
「ファイト」の声と同時に前に出る。
俺の自信が左ストレートとなって相手の顔面をとらえる。
ふっふっふ、いつの間にか、俺は程度の悪いアスペな俺ではなくなったんだ。
新しい呼び名は
「少し程度の悪いアスペな俺」で決定だ。
「お知らせ」
「日本でひきこもっている青少年の就労支援食堂をフィリピンに作る」と題して、下記のブログを書いています。
これは、「ひきこもり、家庭内暴力等で、希望を失ってしまった日本の青少年に就労場所を提供し、自信をつけてもらう為のプログラムです。」
素人が無謀にも取り組んでおり、毎日悪戦苦闘しております!!
どうか私たちと一緒にこの働きを盛り上げていただけないでしょうか
「日本でひきこもっている青少年の就労支援食堂をフィリピンに作る」
http://supportcenternagoya.blog.fc2.com/
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