34歳で大学1年生の彼。
日に日にしっかりとしてきました。
心に期する思いが強いのでしょう。
そうなんです。
高校卒業後、10年近くひきこもっていた彼にとっての最後の大きなチャンスが今なのです。
これを投げ出してしまえば、もう社会に戻っていける道が閉ざされてしまうほど大きなチャンスなのです。
わかっているんですよ。
彼がそのことを一番良くわかっているのです。
ですから今の頑張りなのですね。
さてと、そんな彼にスタッフ見習いとしての初仕事です。
日本から来ている少年と会うのです。
少年は日本で学校にいけなくなって、少し元気が無くなってしまったそうです。
でも、家族の愛がその少年を支えているのです。
とても素直で可愛らしい少年です。
「私がその少年を大学にお連れします。」
「そこで、あなたはその少年と会うのです。」
少年は「34歳で大学生ってどうしてなんですか?」と聞くでしょうね。
「そしたら、僕は彼を励ませばいいんですよね。」
「いいえ。」
「えっ、どういうことですか?」
「彼はあなたに言うと思いますよ。焦らずに頑張ってください。」って。
「えええええ、なんなんですかそれ。」
「あっはっはっはっは。愉快愉快。」
全て私の架空妄想劇場でした。
でもこういう会話になりそうな彼と少年なのです。
本当に良い青年なんですよ。
私たちのスタッフでも彼のファンは多いんですよ。
そんな彼と少年が出会うのです。
案外なにごともなく終わってしまいそうな出会いですが、それはそれで良いのです。
でもきっとお互い何かを感じてくれればと思うのです。
私は自信を持って皆様にこう言います。
「ここに希望がある。」と。
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