2年間弱の社会人としての出来事を、矢継ぎ早に私たちに伝えていた彼が一瞬黙ってしまいました。
「今、思うところがあるんです。」
何か重大な決断を話すような感じでした。
「ダバオからマニラの本校へ移動となって、住みなれた街を離れるのはとても寂しかったです。荷物をまとめながらふと思ったんです。なんで僕は一人なんだろうって。」
「ここに愛する人がいてくれれば、僕の人生はより充実したものになるはずなんです。」
「結婚したいんですよ。わかっています。ついこの間まで、青木さんからの、結婚に関しての問いかけに噛み付いていた僕です。」
「随分失礼な言い方をしましたね。『はあ、あんた何言っているんだ。』そんなこと言ってしまいましたね。」
「怒っていないよ。そういう言い方しかできなかったよね。自信がなかったからね。」
その青木の言葉に一瞬目頭を抑えた劇団兄いです。
「自信ができたんですかね?」
「僕たちが聞きたいね。自信がついたと思うの?」
「今の状態では結婚できませんよ。でも、ここフィリピン の女性との結婚を考えれば、結婚が具体的なものとして考えられますね。」
「優しさと前向きな考えを持つ女性が、自分には必要なのです。それはフィリピン人の女性ですよ!!」
「それにしてもなんでこんなに綺麗な人が多いんですかね。すれ違う10人に1人は振り返りますよね。目移りして困ります。」
その言葉を聞いて椅子からずり落ちそうになった青木です。
「アッハアハアハアハアー」
「愉快、愉快。こんなに愉快なことは久しくなかったよ。」
「自信ができたんだよね。自信ができたんだ。」
「すごいな、すごいな。」
そういう青木の顔は涙と鼻水まみれになっていました。
僕も思いっきり鼻をかみました。
その時になぜか「ピー」という大きな音がしたのです。
その場にいた私たちは大笑いです。
それにしても、60近いジジイたちのくちゃくちゃの顔は公共の迷惑ですね。
年はとりたくないものです。
本当に幸せなひと時でした。
毎日、毎日支援に取り組んでいる私たちです。
ひとえに彼らを笑顔に。
自信と希望を勝ち取ってもらえるようにと日々支援をしているのです。
しかし、毎日が大変な日々です。
支援に行き詰ることもよくあります。
膠着した状況に胃を痛めることも。
快眠という言葉は僕たちにはありません。
それでも僕たちが支援の手をやめないのは、この劇団兄いのような状況に出会いたいためです。
劇団兄いは、30年間ひたすら死ぬことを考えていた過去の僕なのです。
彼らを癒すことは30年間途方にくれていた僕を癒すことなのです。
「大丈夫だよ。ほとんうに幸せになれるんだよ。遅いなんていうことはないんだよ。だから僕たちを信じて、一緒にこれからの時間を歩もうよ。」
不登校、ひきこもっている全ての人たちにそう話しかけたい僕たちがいます。
僕たちはこのようにして、希望を失った人たちを支援しています。
このブログを読んでいたたければわかるように、私たちの支援は一人一人に合わせた支援なのです。
希望を失っている人たちを、用意している支援にはめ込むような支援では回復には至らないのです。
どうか私たちの支援を応援してください。
これからは劇団兄いの結婚の支援を始めます。
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