50才を遠に過ぎた男。
30年間自宅にひきこもった男。
そんな男が社会復帰を頑張っている。
そんな話を聞いたら当事者の僕だってこう思っただろう。
「希望なんか持ってもその分失望も大きいんだ。やめた方が良いよ。」って。
でも、僕は見事に社会復帰を果たした。
いや、本当に社会に所属しているのだろうか?
その疑問がなんども沸いて出てくる。
自分の事が紹介された新聞記事のスクラップをなんども見返す。
このブログに書いた記事を見直す。
支援が終わり、社会復帰していった子どもたちからのお礼の手紙やそのご両親からの手紙を声にだして読んでみる。
そんなこと以上に友達からの何気ないメールを受信した時の方が生きている実感が大きい。
「隆、何してる?今日もひどい暑さだな。」
僕は生きているんだ!!
支援している子どもの為のお使いで巨大モールを黙々と歩いているときにふと、母の声を聞いた。
「隆、良かったね。母さんこうなると信じていたよ。ほとんうに良かった。きっと良いご縁も直ぐに見つかるよ。大丈夫だよ、隆。」
歳を取ったせいか涙腺が直ぐに緩んでしまう。
僕の唯一の心残りは・・・。
改めて、今まで我慢強く僕を支えてくれたことへの感謝と、親に対して何もしてあげられなかった事のお詫びを母に言えなかった事。
仕事を得て、給与を得てから改めて母にそういうつもりだった。
母と僕とで親子旅行をする。
場所は北海道が良いな。
いいや僕の家族と母との温泉旅行だ。
僕の子どもをあやす母。
ふと母を見ると僕の顔をじーっと見ている。
言葉はなくても、母親の気持ちがわかった僕。
それで十分だ。
それでもう何も思い煩うことはない。
しかし、僕の感謝の言葉を聞かずに母は天に帰って行った。
その事がやはり、今でも僕の中で引っかかっている。
今、僕は30年間ひきこもった男の人の支援をしている。
一生懸命だ。
朝から晩まで英語漬け。
トイレにしゃがんでいても英語を話している。
「僕には残された時間がないから。」と同じことをなんども口ずさむ彼。
彼にはこう言わせてあげたい。
「かあさん、長いことごめんね。」って。
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