支援をする上で、1番の難しさは当事者に会えないことです。
そもそも会えないなら、支援は始まりません。
私たちが支援をする人たちは、状況がとても重い人たちです。
私たちの所に来る前に、すでに色々な支援団体に行ったけれど、うまくいかなかった人たちです。
ですから、私たちの所に支援の依頼をされるときは、かなり当事者がガードをしていて、最初からとても難しい状況にあるのです。
できたら、最初から私たちの支援を選んでくれたら、どれだけ楽かと愚痴をこぼしてしまう僕です。
青木は30年間この支援をしていますが、すぐに訪問して会えたり、電話やメールで話を聞いてくれた人は1人もいないそうです。
ですから、まずはそのような人たちにどのようにすれば、お会いできるかを考えることから始めます。
ひきこもっている人に、どうすれば会うことができるのか。
それさえわかれば、世の中のひきこもり問題の多くは解決するでしょう。
「会うことができれば、回復の8割までは進んでいる。」と青木は言います。
それほど会うことは難しいのです。
支援において、1番難しいことは、会うことができるかどうかです。
会うことができなければ、支援は始まりませんから。
「ひきこもっている人にこうすれば、会えますよ。」と何か秘策をお持ちの方がみえましたら、どうぞ助けてください。
よろしくお願いします。
実は今日は訪問の日でした。
高校中退後、20年間近くひきこもっている方でした。
お母様と数回面談をしました。
「家に来ていただけたら、必ず息子は会います。息子は自分のことを理解してくれる人が欲しいのです。」「先週は、『誰か頼むから助けてくれ、頼む』と叫んでいました。」とのお母様の言葉を信じて、僕はご家庭を訪問しました。
玄関内に机や椅子がうず高くバリケードのように積み上げられている光景をみました。
「ああああああ、不安がとても強くなっているんだ。」
「しかし、お母さん、話が全然違うじゃないですか。」と心の中でつぶやく僕です。
困った。どうしよう。
青木に連絡です。
「持参したお手紙や資料と共に、メッセージをこう書きなさい。」と青木からの指示がありました。
「決して噛み付いたりはしませんよ。また来させてください。」
そうして、僕はそのお家を後にしました。
この人が何らかの支援を受けて社会に戻ることができますようにと心から願います。
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