2008年18歳スーパーでの商品出しバイト。
フィリピンで就労ビザ待ちするより、日本で少しでもお金を稼ぎたかった俺はフィリピンから、日本に帰りアルバイトをすることにした。
アルバイの雑誌を見たらたくさんのアルバイトが載っていた。
「やはり今は景気がいいんだな。」と思った。
英会話教室のチラシ配りが目に入った。
昔の失敗を思い出して1人笑いしてしまった。
色々と見ていたら、10年前に面接に行った会社をいくつか見つけた。
やっぱり昔を思い出してブルーな気持ちになった。
「でも今は違うじゃないか。お前はバカじゃないんだ。あの頃とは違うんだ。」と自分に言い聞かせた。
それだけの自信がついたのが10年前と違うところ。
「とにかくやってみよう。」
「大丈夫だよ。俺はすでに就職が決まっているんだからな。」
目に入った会社に電話した。
名前と年齢と住まいと携帯電話の番号を相手の会社の人に告げた。
「それでいつからアルバイトできますか?」
「えっ面接はないんですか?」
「はい、これで登録は完了しました。」
「高校は出ていますかとか聞かないんですか。」
「卒業されていないんですか?」
「いや、インターナショナルハイスクール」を出ています。
「帰国子女ですか?」
「いいえ、男です。」
「・・・・・・」
「いつからアルバイトに入ることができますか?」
「いえ、あの質問なんですが」
「なんで面接しないんですか?」
「僕が変な人間だったら困るじゃないですか」
「なんであんな奴よこしたんだって、おたくの会社の信頼に関わりますよ。」
「変な方なんですか?」
「変じゃないですよ。」
「それに学歴関係ないんですか。それでいいんでしょうか」
「中学しか出ていないなら、お金の計算もできないかもしれませんよ。そんな人がスーパーのレジに配置されたら、お客さんもいい迷惑だ。」
「あのう、アルバイトはどうされますか。」
「すみません、理解できないので、今回は辞退させていただきます。」
物流会社での仕事。パチンコ台の分解。楽しかったな。壊すの得意だから。
俺は怒っていた。
俺の考えは正論だと思う。
いつから日本はこんなにもいい加減な国になってしまったんだろうか。
「少なくとも10年前までは、多くのアルバイトの資格は高卒以上と明記されていたんだ。」
「そして、面接でおかしな言動や服装の奴はすべて排除されていたんだ。」
俺こそがその時代の証言者だ。
俺はこの現状が理解できなかった。
それで、すぐに青木さんに連絡をした。
「確かに変わったな。」
「今の労働市場は猫の手も借りたいくらいだからだろうな。」
「働きやすい時代になったね。」
「俺はどうするんですか。100社受けて、4社合格って、それはなんですかって言われますよ。」
「その話はもういいでしょ。」
「しない方がいいですか。」
「ヒロさんの状況も激変しているんだから、必要ないでしょ。」
そんな会話で、俺が感じていた疑問や怒りはなくなってしまった。
もう一度、気を取り直して俺はアルバイト先に電話をした。
「もしもし、アルバイトをしたいんですが・・・」
明日に続く。
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