もし私が、今日限りで支援をやめるとして、「最後に世の中の親御さんに言いたいことを書いてください。」と言われたら。
言いたいことはただ1つ。
「親亡き後も子どもが1人で生きていけるようにしてください。」と世の中の親御さんに言いたいです。
7年間の支援をしてきました。
それは、僕が誰かの支援をすることが、僕の成長に繋がっていたということです。
支援をする場で自分に何が足りないのかを教えてもらったのです。
30年間ひきこもった私でも、今ならこの先1人でも生きていけると確信できます。
どんなに言葉を並べても、僕たちのような人は言葉を通して学ぶことが苦手な人なのです。
だから、実際にやってみて、色々なことを吸収させていくしかないのです。
体験していないことは、わからない。
わからないことはできない。
だから、徹底的に経験を与える必要があるのです。
レストランのブッフェにみんなで行きました。
私たちが支援している人は、我先にと好きな料理をお皿に大盛りにして、すぐにテーブルについて食べ始めます。
「世の中にはルールがあるんだよ。」
「そのルールを守らないとみんなの仲間に入れてもらえないよ。」
「食べ始めるのは、みんなが席に着くまで待つ。これがルールです。」
「早めに席に着いたら、他の人たちのお水を用意してください。」
「みんなが席に着いたら、年長の人が「それではいただきましょう」というようなことを言うので、そしたら食べはじめましょう。」
「食べているときの姿勢が良くないので治しましょう。」
「あなたの食べているときの姿勢を携帯で撮ったから、見てください。」
「2人のスタッフが、あなたの食べ方とその他の人の食べ方を真似しますので見てください。」
「これから、食事中にあなたの食べているときの姿勢を治していきます。」
「食べるときの速さにも注意しましょう。」
「みんなで楽しく食べるために。これがマナーです 。」
銀行に行ってお金を下ろす。
行政の窓口で手続きをする。
日常生活でのルールやスキルを学ぶ。
人とのコミニュケーションの仕方を学ぶ。
経済的に独り立ちできるように、子ども達の学力を伸ばす。
それらは全てお母さん、お父さんの責任なのです。
100万人といわれているひきこもっている人たち。
少なくともその6割は基本的な生活スキルが獲得できていないのではと私たちは思っています。
これは大変なことです。
もはや家族でどうするとかいう問題ではないですよ。
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