銀行にも行かせています。 ヒロさんです。10年ほど前です
サポートセンター名古屋で支援していた30代半ばの青年がいました。(設定を変えています)
高校卒業後13年間ひきこもっていた方です。
アスペルガー症候群と診断されていました。
その方の支援を3年間行いました。
徹底的に寄り添いながらマンツーマンでの支援です。
何でつまづき自信をなくしているのかを徹底的に調べます。
その人のことを詳細に知ると実にいろいろな苦手さがあることに気づきます。
彼がアスペルガーと診断されたのは20代になってからでした。
お母さんの記憶では、小さい頃から周りの子どもと比較して、随分できないことが多かったそうです。
しかし、それも年齢が上がればいずれできるようになるだろうと思っていたそうです。
中学、高校と部活動には入らずに学校と家の往復だけの生活でした。
また夏休み等もアルバイトなどはせずにただ家で過ごしていたそうです。
高校を卒業した時、本人は就職も考えましたが一社も受けずにそのままひきこもり30代なかばになっていました。
ご両親はハローワークや精神科などに相談に行きましたが、これといった支援とは巡り会えなかったそうです。
自信をなくし、不安が強くなった彼は家から出ることもできなくなりひきこもります。
ご両親が私たちの団体を知り、支援の依頼をされました。
長期の訪問の結果、なんとか彼と出会うことができました。
ゆっくりと彼との信頼関係を築いていきました。
彼は、徐々に私たちを信用し始めてくれました。
やがて彼への支援が始まります。
日常生活における様々なことを彼にしてもらいました。
簡単に言えばお使いやお留守番です。
郵便局、銀行、宅急便、市役所窓口、弁護士事務所、早朝の市場・・・・・・。
一つ一つのことをちゃんとできたかを確かめます。
もちろん、ミスの連続です。
例えば
サポートセンター名古屋の事務所の電球が切れたので買いに行ってもらいました。
宛名書きには〈サポートセンター名古屋〉と書いてもらわなければなりません。
しかし、彼は自分の名前を書いてもらって帰ってきました。
〈青木 美久〉の下には彼の名前が書かれています。
彼は領収書の宛名の意味がわからなかったのです。
宛名の意味を教えてそれ以降も何度も領収書をもらうようにさせました。
優しく丁寧に30代の男性に教えてくれる人が社会の中にどれだけいるのでしょうか。
このようなことが日常的に多く見られます。
彼は一見すると好青年です。
しかし、様々な社会スキルが身についていません。
グレーゾーンの人たちの生きづらさはここにあります。
失敗が重なり、自信を更になくし、社会の中で孤立しやがてひきこもってしまうのです。
ここでテンプルグランディンの登場です。
彼女の著書「自閉症感覚」に「社会のルールを学ばせる」という章があり、その中で四種類のルールについて書き記されています。
1、本当に悪い行為を禁止するルール
2、礼儀作法
3、時には守らなくてもいいルール
4、制度上のルール
この章の中でも何度も書かれてある大切なこと「ルールを学ぶ」ということ。
「子どもは体験しなかったことには関心を持たない。」
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関心を持たせるためには ?
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小さい頃から子どもを世の中に出す必要がある。
私たちの団体が支援をしていくなかで大切にしていることはここにあります。
本人に体験を通して社会ルールを徹底的に身につけさせているのです。
一人で体験はできません。
信頼関係にあるスタッフが徹底的に当事者に寄り添う必要があるのです。
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