この記事が載る頃には僕は東京に向かう新幹線の中です。
品川で下車して羽田に向かいます。
本日は羽田からマニラに帰ります。
青木さんがミスをしてセントレアからマニラへのチケットを購入していなかったのです。
慌ててチケットを探しましたが、空席がないのです。
今、フィリピンがとても人気です。
僕が初めてフィリピンに行った2年前には、まだアイタタおじさんたちが結構いらしたのですが、最近は若い学生さんが多いです。
短期間の英語勉強に来られる方たちです。
※アイタタおじさんとは フィリピンパブで出会った若いホステスさんに夢中になり、騙されてフィリピンに渡り散財してしまう中高年のことをいうらしいです。
青木さんから「羽田」からと言われた時、頭がフリーズしてしまいました。
「何か不都合なことがあるの?」と青木さんが聞きました。
「自分で切符を購入して新幹線に乗ったことがないんです。」
席は早い者順ですか
たくさんの車両がありますが、どの車両でもいいのですか
券売機には、たくさんの人が並んで順番を待っているので券を購入するのが怖いんです。
窓口で聞きながら券を購入したいんですけれど、いろいろ聞かれて、うまく答えられなかったら、変に思われたりしませんか? 笑われませんか?
怖いです。
席がないと品川まで立ったまま行くんですか?
のぞみとかひかりとかなんですか?
前に乗った時はたくさん券を渡されましたが、いろいろな券の違いがわからない。
券を機械に通しますけれど券売機で出てきた券を全部機械に入れるんですか
機械に券を入れなければいけないことはわかるんですが、スピードがとても早くて、こわいんですよ。
券は全部出てきますか?
後ろの人に押されるような気がして。
新幹線に乗るためにホームで待ちますよね。なんか一列に並んでいないので、訳がわからないんですよ。イライラしますよ。
あっあああ、だめだ、新幹線には乗られない。
僕は、新幹線に乗ることの恐怖がだんだん大きくなっていきました。
特に機械に券を入れる時にもたついてしまい、後ろの乗客に「邪魔だドケ」と蹴られたりしないかなと想像してしまいます。怖いです。
昨日はそのことで頭が一杯になり、講演会の話に集中できませんでした。
僕は明日入り口で機械に券を入れる時にもたついて、僕の後ろにいるサラリーマンから罵声を浴びせられます。
「おい、てめえ、邪魔だドケ!」
そして、サラリーマンは思いっきり足で僕の背中を蹴ります。
僕は前に倒れて、床に頭を打ち付けて当たりどころが悪く病院に運び込まれます。
一ヶ月の入院となり、チケットも無駄、学校の授業料も無駄になります。
僕は結局だめな人間なんだと考えてしまいました。
青木さんにそのことを話しました。
入院したら退院するまで待つ。
チケットは変更手数料を払えば変えられる。
学校には入院していますと伝えればまた個別で授業をしてもらえる。
窓口では笑われる。でも次からは笑われなくなる。僕も笑われた。どの人も最初は笑われる。
そして青木さんはコピー用紙にチケットの種類を書いて僕に渡してくれました。
そして事務所で即席の新幹線に乗るまでを享受していただきました。
それでも怖い僕です。
情けないです。
情けなくて涙が出そうです。
青木さんがよく言っています。
「圧倒的な経験不足」
はい、そうです。
僕は圧倒的な経験不足な男なんです。
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