
三十年という月日。
私は自宅から外に出ることができずにいました。
正確に言えば、二十七年です。
大学に行くことが怖くなって行けなくなってから、
私はアルバイトに挑戦しました。
少しの間はうまくやれていたんです。
お年寄りが多く、ひとりで黙々とできる清掃の仕事を選んで正解でした。
もしマクドナルドとかコンビニのような仕事をしていたら、
きっと一日でやめていたと思います。
それでも、やはり続きませんでした。
上司が若い人に変わってから注意を受けることが増え、
「お前みたいな奴はもう来なくていい」と言われました。
その次の日、無断欠勤をしてしまいました。
それからは、もうアルバイトにも行けなくなりました。
それでもまだ、その頃の私はバスに乗って
知らない街へ行くことができました。
少し遠くの景色を見るだけで、
自分が生きているような気がしたのです。
けれど、特別なきっかけがあったわけではありません。
それでも、少しずつ外に出ることが難しくなっていきました。
強いて言えば、二十歳を過ぎてしまったこと。
そして二十五、三十と年齢を重ねるたびに、
自分が社会から取り残されていくような気がしたこと。
その思いが、心の中で静かに重くのしかかっていったのだと思います。
昼間に行けていたコンビニには深夜しか行けなくなり、
家を出る前には、周りに誰もいないかを確かめるようになりました。
電車やバスに乗ると、人の視線が怖くてたまらなくなりました。
そうして、家からまったく出られなくなっていきました。
二十七年という時間は、気づいたら流れ去っていました。
今、昔を思い出そうとしても、
あの長い年月の多くは霞がかったようにぼんやりとしていて、
何も思い出せません。
ただ、時計の針だけが静かに動いていた部屋の音を、
今でも覚えています。
止まっていたのは世界ではなく、
私の方だったのかもしれません。
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一般社団法人 青年生活教育支援センター
