日本での生活は、ただただ周りに迷惑をかけ、怒られてばかりでした。
電車に乗れば、出入口の前に立っているだけで怒鳴られました。降りる人の邪魔をしてはいけないという、当たり前のルールを知りませんでした。
牛丼屋では、スタッフが一人で忙しいのに「水、水」と急かしてしまい、他のお客さんに「待ってやれよ」と怒られました。さらに緊張でトゥレットの症状(右手を頭の横でくるくる回す動作や「ヒィ」という強い言葉)が出てしまうと、それが「ふてくされている」と誤解され、さらに強く怒られました。
とんかつ屋でも、待っている人がいることを知らずに空いている席に座ってしまい、怒られました。
コンビニのレジでは、小銭を出すのに時間がかかりすぎたせいで、後ろのお客さんに「早くしろ」と怒鳴られ、「ごめんなさい」と謝っても「謝らなくていいから早く払え」とまた怒られました。
気づけば、電車に乗るといつも私の周りだけ広い空間ができてしまう。周りの人たちが私を避け、遠ざかっているのが分かります。
フィリピンでの安心と涙
しかし、フィリピンでは状況が違いました。私はゾンビみたいな歩き方をしますが、道行く人が「大丈夫ですか」「何かお手伝いしますか」と声をかけてくれます。
空港に入るとすぐにスタッフが車椅子を持って駆け寄ってきてくれ、長い列を飛び越して一番にチェックインさせてくれました。
そして、声をかけてくれた人にビサヤ語で「ありがとう」と言うと、「ええええ、ビサヤ語が話せるの、すごいな」と多くの人が褒めてくれます。
私は部屋に帰ると涙が出ます。
嬉しいのです。
無視されていないなって思えるから。
フィリピンでは家にいるより、外に出ていた方が嬉しいです。
日本人はとても優しく、勤勉で、時間にも正確です。でもこの国では、私はルールも空気も読めず、緊張すれば症状が出て、常に誰かを不快にさせてしまう迷惑な存在でしかない。
だから、私は日本には住めないのです。住んではいけないのです。
でも、フィリピンでは私のことを受け入れてくれる。それで十分です。
今まで私によって不快な思いをさせてしまった、すべての人たちへ。
心からお詫び申し上げます。
ごめんなさい。
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一般社団法人 青年生活教育支援センター