新幹線のチケットが買えない。
券売機も窓口もたくさんの人がいて並ぶのが怖い。
みんな平気で並んで購入しているのに僕はそこに並べない。
そんな自分に嫌気がさしてしまいます。
外に出て背中が壁の場所を見つけてしゃがみこみました。
「はぁ」と深いため息をつきました。
顔を下に向けてその場でうずくまりました。
「はぁ」と何度も何度もため息をつきます。
ひきこもっていればこんな厄介なことに巻き込まれなくて済んだのにな。
後悔ばかりが先に立ちます。
「もしもし、どうしたの?気分が悪いの?」
目を挙げると警察官でした。
「荷物をちゃんと見ていないと危ないよ」
僕が2人の警察官に取り囲まれているのを道行く人たちが見ています。
顔から火が出る思いでした。
警察官にはあえて笑顔で答えておきました。
「僕は犯罪者ではない」ということを周りの人たちに伝えるためです。
僕は駅の西口にいました。
でもその場所にいづらくなりましたので、駅の構内を出て外側から元いた場所と反対側に歩いて移動しました。
外はすでに灼熱地獄になっていました。
重いカートを引きながら15分ほどかけて駅の反対側に出ました。
服がびしょびしょになり気持ち悪くなりました。
そのことで頭がいっぱいになり、イライラがピークに達しました。
青木さんは忙しいのがわかっていましたが、電話しました。
「おはようございます。今僕は名古屋駅の表玄関高島屋の方にいます。」
「すみません、新幹線チケットが購入できません。」
「信じられないほどの人がいるんです。」
「怖くてしかたがありません。」
「ほんとうにすみません。」
サポートセンター名古屋の事務所は名古屋駅から徒歩10分ほどのところにあります。
それで青木さんはスタッフが来てくれることを提案してくれました。
しかしそんなことをさせてしまったら、僕はスタッフ失格です。
「そうなんだ、僕はスタッフなんだ。」
「何をしているんだ、しっかりしろよ。」
「ふざけるんじゃないよ。お前はそこで何をしているんだ。」
もう一度青木さんに電話しました。
「一人で行きますので、他のスタッフさんの手助けは結構です。」
「自分に頭にきました。」
「ふざけるな」と。
「やれよ、やるんだ。」
そう自分を鼓舞して券売機に向かいました。
「えっ」
券売機の周りには人がいなくなりました。
チヤンス到来です。
小走りに券売機に向かい、ためらわずにボタンを押しました。
「自由席」
「東海道新幹線」
「当駅から」
「品川」
「本日分」
一つ一つ声に出して確認しながらボタンを押していました。
隣の人が怪訝そうな顔つきで僕を見ているのが感じられました。
僕はボタンを押しながら冷房が効いたマニラの部屋で冷たいジュースを飲んでまったりしている自分を想像していました。
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