七年前の俺です。パソコン検定に向けての練習風景です。
この時には今の俺を想像なんかできなかった。
新しい新居が俺にとっての、安全基地だという事でした。
もう、誰も俺を傷つけたりしない。
そう思ったら、少しだけ安心したけれど、不安や怒りは消えなかった。
引っ越しただけでは、消えるわけないです。
「よし、希望をつかんだ、未来に向けて頑張るぞ!!」なんて、簡単にはいかない。
2年前に父親の記録ノートを見て、驚いた。
「ヒロは大変難しいケース。」
「発達障害から来る困難さだけではなく、二次障がいでの新たな困難さがある」
「24時間支援体制で社会参加できるまで5年はかかる」
「落ち着き、自信ができるまで、家族とは会わないほうがよい」
サポートセンター側との話し合いの記録が残されていた。
支援開始1年目にサポートセンターのスタッフに「俺は何番目ですか」と聞きまわった。
誰も、答えてくれなくて、青木さんに聞いた。
どうしても何番目か聞きたかったから。
支援開始3ヶ月後にも同じ質問をした。
その時ははぐらかされた。
1年目には、答えを聞くまで、てこでも動かねえと覚悟した。
「嘘はつけないから、本当の事を言うけれど、一番難しい状況だよ」
覚悟はしていたけれど、悲しかった。
「で、この先、俺をどうしよう思ってるんだ」
「何度も同じ事を言うよ、高校、大学卒業、それと何が得意かを探し出し、それを極る」
「あのさ、脳みそ腐っている俺ができると思う?」
「できると思っているから、そう言うんだよ」
青木と言う男は、単純に嘘つきだと思った。
口からでまかせばかりいいやがる。
この世の中で、誰が俺を高校卒業まで導くんだ?
ものすごくバカにされていると思ったので、青木を殴り倒してやりたいと思った。
しかし、22才で高校を卒業できた。
今は大学に通っている。勉強は大変だけれど、楽しい。
2年前に、青木さんにもう一度同じ質問をした。
「俺はいま何番目ぐらいですか」
「今は一番だよ」
「おい、いつまで一番なんだ、これだけやってもまだ一番なのか」
「バカにするのもいい加減にしろ」
汚い言葉を青木さんに投げつけた。
話疲れたら、青木さんがこう言った。
「今は一番期待しているんだよ。」
この言葉を聞いたとき、男ヒロはうれし泣きをしてしまった。
確かに、これだけ悪い状況でも、ここまで良くなるという見本が俺だから。
でも、これって、喜んでいい事なのかな。
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