小学校の入学式。
小学校の正門へと続く道はくねくねとしていた。
角を曲がると正面に正門が見えた。
正門に続く道には桜並木があった。
その日のことはよく覚えています。
天気は快晴だったけれど、風がとても強かった。
強い風に煽られて、桜が大きく揺れていた。
小学生の僕は桜が怖かった。
桜を見た僕の体は金縛りになってしまった。
「どうしたの?」とおかあさんが僕に聞く。
でも、こたえられない。
小学生の僕は、力を振り絞って正門までたどり着いた。
正門をくぐるとそこにはたくさんの人がいた。
たくさんの声が耳に入ってきて、パニックになった。
顔がひきつっていく。
頭の後ろ側の皮膚が上に引き上げられる。
後ろを振り向いたら、満開の桜が風に煽られて、大きく揺れている。
それはまるで、巨大な怪物の様に見えた。
「おかあさん、おかあさん、僕怖いよ。家に帰りたい。早く帰りたい。」
おかあさんは知り合いの人と挨拶をしている。
僕は体が震えた。
そして、おしっこを漏らしてしまった。
「山田さんの奥さん、お子さんが大変よ。」
「◯◯どうしたの?あら、まあー。どうして言わないの。困ったわね。他のおかあさんたち笑っているじゃない。」
僕は泣いた。
そして、今来た道を帰っていく。
それから、小学校にはいけなくなった。
青木さんが僕に言った。
「桜が怖いんだね。」
「はい。」
「僕も桜は怖いけれど、山田さんはどんなふうに怖いの?」と青木さんが聞いてくれました。
そう聞かれても、うまく表現できないので黙っていた。
「例えば、とても綺麗で優しそうな女性。でも背後に鋭利な刃物を持っているんだ。そして相手が安心したところで、・・・・・・」と青木さんが言ってくれた。
僕は想像してみた。
そしたら、その表現は理解できたし、僕の怖さはそれに近いとも思った。
桜は怖い。
「『桜の木の下には死体が埋まっている。』と書いた文学者がいるんだよ。君の感性は素晴らしいさ。」と青木さんが褒めてくれた。
「おかあさん、おかあさん、僕怖いよ。小学校1年の君が泣いているんでしょ。」
「何か彼に言ってあげればいいんじゃない。」
「はあ?」
「小学校1年の時のあなたの記憶が、繰り返し、繰り返し思い浮かぶんでしょ。」
「彼は何かを求めているんじゃないの」
「僕は安心を求めていました。」
「彼に向かって、何か言ってあげられるとしたら、何て声をかけてあげられるかな。」
「難しく考えないで、頭の中にあることを言葉にすればいいんだよ。声にだして言ってごらん。」
「大丈夫だよ。もう大丈夫。心配ないからね。」と僕。
「そうなんだ。もう心配する必要は何もない。明日に向かって、毎日必死にやるだけ。」
「一緒に楽しくやっていこう。」
そういって、青木さんは又違う場所に移動しました。
目を閉じて考えました。
心の中で2つの声が対立しています。
「大丈夫だよ。よかったね。」と「気のせいだ。大丈夫なわけがない。」と。
でも、気のせいか「大丈夫な気がするの」方が大きくなっているかな。
「自信をつけるしか解決方法はない。」とスタッフから言われています。
自分だけが自分を変えられる。
また明日から1日を大切に挑戦していきます。
下記バーナーのクリックを押してください。
ご協力をお願いします
日本ブログ村に参加しています。
いつもご協力をありがとうこざいます。
1位でいると新しい人たちが訪問してくれます。
クリックをお願いします。