「スギ」さんのその後を勝手に想像して書いてみます。
(こうなればいいな)という思いで書きました。
全てフィクションです。
サポートセンターではアルバイトを期間限定ですすめる場合もあります。
例えば、今、俊介兄いは仕事が決まらないのでアルバイトをしています。
仕事が決まるまでの期間限定です。
ですからアルバイトを否定しているわけではありません。
「スギ」さんは、毎日が充実していた。
勤務先の飲食店では、店長からの厚い信頼を得ていたし、毎日食堂に顔を出し励ましてくれる人たちもいる。
何をおいても、スギさんのご家族が喜んでいた。
高校卒業後は家業の手伝いをする程度で、職に就かずに20代半ばまで「実家でだらだらと過ごしてきたスギさんにどう声をかけたらいいのか、わからずに気を揉んでいたご両親。
毎日、笑顔で出勤する今のスギさんの姿に頬を緩めるご両親です。
しかし、そんなスギさんには、心配ごとがあるのです。
実はオーナー店長さんから、来年一杯で食堂を閉じることを聞いたのです。
スギさんはこの経験を次に活かしたいとの思いから、すぐにハローワークに出向きます。
次もすぐに見つかると思っていたスギさん。
しかし、ハローワークの職員から言われた言葉は「アルバイトは職務経験にはならないのです。ですから、今後もアルバイトしかないですよ。」です。
「調理の仕事には自信があります。」と言ったスギさんですが、「調理師免許は持っていますか?」と言われました。
「大手の食堂に勤務するには経験と資格が必修です。」
(調理師免許がなくても調理をしても良いのです。)
再びサポートステーションを訪れたスギさん。
担当のキャリアカウンセラーには、その後、何度も相談にのってもらいました。
そしてスギさんの決断は「ITの専門学校に行き、資格をとって就職する」でした。
ご両親に相談すると、挫折して再びひきこもることを心配したご両親は、アルバイトのままで勤めることを勧めました。
キャリアカウンセラーの丁寧な説明で、ご両親は、ITの専門学校に行かせることを承諾しました。
もともと大学に行くための費用は手付かずだったので、その費用で専門学校の授業料を払うこともできました。
めでたし、めでたし。
ではないのです。
キャリアカウンセラーから言われた言葉はとても重いものでした。
すでに30歳近くになっていたスギさん。
専門学校を卒業しても就職できるとはかぎらないのです。
やはり企業は新卒を取りたいからです。
しかも、履歴書に空白があるスギさんは、すでに大きなハンデイキャップがあるのです。
しかし!!
抜け道はあるのです。
「1年間は、必死で勉強しなさい。2年になったら、アルバイトをしなさい。アルバイトはIT系の会社で、それも最近立ち上げたばかりの小さな会社にしなさい。」
「そこでは、こき使われるけれど、なんでもかんでもやらなきゃいけない。でも、それで足りなかった経験値が補えるのです。」
「就職も大手会社に入りたいと思うけれど、今のこのご時世、特にIT関係は自分に実力をつけていくしかない。実力さえあればやっていけるんだ。」
そして、彼は最後にこう言った。
それは今、俺自身がとても大切にしているものだ。
それはまた明日です。
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