ひきこもりから徐々にたちなおつていったころ
アメリカに行った
僕はアメリカに行ったら、試してみたいことがあった。
日本では満員電車に乗ることができなかったが、
アメリカではどうなんだろう?
サンフランシスコの地下鉄に乗ってみた。
地元の知人には、地下鉄は危険だからやめなさい
と言われた。しかし、それよりも、
電車に乗ることができるのか、できないのか
確かめてみたかった。
結果は、大男たちの間に埋もれながらも
電車に乗ることができた
この電車内で、僕のことを知っている人は誰もいない。
「お前何やっているんだ。そんなことでいいのか?」と
僕を責める人は誰もいない。
そのことが、心の中をしめていた。
日本に帰ってもう一度満員電車にチャレンジした。
やっぱり乗ることはできなかった。
心臓をわしづかみされるような気がして、
体が震えて、「わぁー」っと大きな声を
出してしまいそうになる。
こういう症状を訴えるひきこもりの人たちは
多い。
「僕もそういう傾向が強かったよ。
今でも完全になくなっていないな。」
そのことを彼らに言うと、
みんなほっとした表情を見せる。