30年もの間、ひきこもっていました。
だから、もう自分は社会に戻ることなんてできない。
ずっと、そう思い込んでいました。
ほんの少しだけ、アルバイトをした経験はあったんです。
でも、いわゆる「ちゃんとした就職」の経験がない私にとって、
社会に出るということは、見上げるほど高いハードルに思えました。
みんなが当たり前のように行く大学に、怖くて行けなかったという過去の経験。
それがずっと心のトゲになっていて、
「大学すら行けなかった自分に、就職なんか絶対に無理だ」
と、はなから諦めていたところもあります。
今でこそ「就労支援」というプログラムがあることを知っていますが、
じゃあ30年前にそれがあったとして、当時の私が受けられたかというと……
きっと無理だったと思います。
だって、自分は障害者ではなくて、ただ人より不安が強いだけ。
そもそも「障がい者」と呼ばれること自体、すごく抵抗がありました。
同世代からすっかり取り残されている焦りは、もちろんありました。
でもその反面、
「自分はちょっと不安が強いだけ。いざとなったら、あいつらとそんなに差は開いていないはずだ」
と思いたかった。
そんな風に、どこかで必死に自分を保っていたんです。
だから、「作業所」とか「就労支援」とか言われても、
心が拒絶してしまいました。
「無理なく自分のペースで始めましょう」
「お給料は数万円です。」
そう言われても、その先にある現実がなんとなく見えてしまう。
そこから先、どうやって普通の生活に戻れるのかが分からない。
「バカにされたくない」という強いプライドが心の片隅にあって、
でも現実には「この状況からどうやったら抜け出せるんだろう」という不安がずっと付きまとっている。
ずっと、この2つの思いの板挟みでした。
どっちに行けばいいか分からないまま、気がつけば30年という時間が流れていました。
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