大野への支援は7年間です。
昨年の4月頃からは、青年たちがフィリピンに渡航できなくなり、大野に多くの支援時間を投入しています。
しかし、思ったよりも大野への支援の成果が見えてきませんでした。
大野が私たちの支援に反応してくれれば良いのですが、反応しないのです。
沈黙なのです。
いつも沈黙なのです。
私たち支援者には、彼からのフィードバックが必要なのです。
しかし、大野は何もしゃべりません。
顔の表情を伺っても、顔色ひとつ変えません。
このようなタイプの支援は、あまり経験がないのです。
ですから支援者側で思いを推測しながら支援をしていきます。
で、思うのです。
支援者サイドで勝手に大野の結婚で盛り上がっているだけで、大野本人はそれほどでもない。
いや、周りが盛り上がっているのを見て、それに水を刺すようなことはしたくないと思っているのでは・・・。
いやいや、ASDの特性が強い大野です。
そこまで、相手のことを考えることは苦手なはずだ。
私たちの話している何割くらいが理解できているのだろうか?
どんな風でも良いので、何か反応してくれれば私たちは、これからどう支援を進めていけば良いのかがわかるのだが・・・。
で、結局落ち着いたところは。
経験値が少ないので、多くの場面で戸惑い、沈黙してしまう。
そうならないために、事前に場面設定をして練習しても、実戦となるとやはりうまくこなせない。
だから、徹底して経験値を増やしていくしかない。
しかし、私たちの見方が間違っていることに気づいたのです。
デートをして気に入った女性ができました。
その彼女と3回目のデートができました。
とても嬉しそうにしていた大野です。
スタッフが動画を撮影していました。
大野の手の変わった動作が始まりました。
スタッフが日本語で注意をしようとした時です。
「ねえ、あなたいつも手が動いているわよね。それはやめたほうが良いと思いますよ。変な風に見られますから。」と相手の女性から言われてしまったのです。
万事休すです。
変な手の動きをする大野を誰も良い印象を持ってくれないでしょう。
スタッフがとっさに、「仕事でキーボードを一日中打っていて、手が凝り固まっていて動かさないとどうにもならないんだ。でもアドバイスとても嬉しいです。ごめんね。」と日本語で大野に言いました。
大野はそれをビサヤ語に変えて話したのです。
「ああああ、そういうことなんだ。大変なお仕事ですね。」でなんとかその場はおさまりました。
そして、事務所に帰ってきました。
帰る早々、彼は支援してくれているスタッフに声をかけて集めました。
その場で彼は小さな声でこう言いました。
「僕の動き変なんで、これからはどんどん注意してください。あの、言葉で注意するより、手を掴んで現行犯逮捕だ!!って言ってもらった方が、身体に記憶できると思うので、お願いします。」
「それとこれから今まで撮ってもらった動画を見直したいです。とにかく変な手足の動きと体をくねくねさせる動きを封印させるお手伝いをどうぞよろしくお願いします。」
その場に居たスタッフは笑いたいのを我慢して、大野の話を聞いていました。
私は、打ち合わせと称して、スタッフたちを喫茶店に連れ出しました。
そしてみんなで長時間語り尽くしました。
〈Love is Stronger Than Pride〉
SADEの歌声が私の頭の中に響いてきました。
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