病院を退院した後、野村先生は2度訪問してくれました。
先生は感情を表に出す人でした。
僕がいじめられて、入院した事で、涙を流してくれました。
「もう一度、一緒に頑張っていこう」
この先生の気持ちに答えたいと、自分を鼓舞しました。
でも、すぐに学校に行った事が間違いだった事がわかりました。
クラスに入ろうとしたら、いじめた連中がいきなり僕の前に土下座をしました。
「お許しください。!!」笑いながら演技をした事で、クラスが沸きました。
それに気を良くして、行動はより過激になりました。
僕の机を教室の一番後方、掃除道具入れの前に移動しました。
誰かが画用紙で作ったのでしょう、「王様」と書かれてある、王冠をかぶせられました。
「王様、私たちはあなたの家来です。何でも言いつけてください。」
僕は黙っていました。
「王様、お着替えください。」そう言って、僕の服を脱がそうとしました。
今まで我慢するしかなかった僕が、奴らに立ち向かおうとこの時決断したのです。
そうしても良いと思わせてくれた事がありました。
多くの女生徒が、僕の味方をしてくれたのです。
「○○君たち、バカな事はやめなさいよ。青木君は何もわるいことはしていない。」
その声を聞いたとき、心の底からうれしさがこみ上げた事を覚えています。
自分の存在を認めてくれている人たちがいる。
4人を相手に立ち回りました。
先生が騒動に気づき、引き離してくれました。
「お前ら、いつかたたきつぶしてやるからな」
こんなふうに言えた自分を誇らしく思いました。
何人かの女生徒が僕の荷物を片付けたりしてくれました。
僕は振り向きもせず、家に帰ってしまいました。
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