子どもが死んだ。
一人で死んで行った。
誰からの助けももらえずに。
事情が少しずつわかってきた。
「主犯格の少年を極刑に処せ。」
そんな怖い言葉がインターネットの画面を占領する。
俺でさえ、強い憎しみの気持ちが沸き起こる。
昔の俺。
中学の時の俺。
不良グループから俺は標的にされていた。
奴らはわかるんだよ、俺のおかしさが。
誰が自分たちより弱い奴で奴隷になるのかってのを。
嗅覚が研ぎ澄まされているからね。
「腹がへったから弁当が食いたい」
不良グループのリーダーから命令が下される。
「ヒロ、弁当持ってこい。」
命令は絶対だ。
俺は弁当を買ってリーダーに持って行った。
手渡した弁当を見たリーダーの男は、突然弁当を俺の顔めがけて投げつけた。
「てめえ、俺は焼肉弁当が食いてえんだよ。ダッシュで買ってこい、10分以内に帰ってこなければ、ぶっ殺す」
俺は全速力で弁当屋に行ったが昼時なのでレジ待ちができていた。
列に割り込んだ俺を、サラリーマンの親父が注意する。
「おい、順番があるんだ。」
そいつを睨み返してやった。
散々パシリに使われた。
金は母親の財布からくすね続けた。
殴られた、サンドバックのように。
気に入らないことがあると、その憂さ晴らしに俺を殴る。
殴る、蹴る。
顔を傷つけると周りにバレるので下半身を狙う。
俺は「みんなと違うという理由」で小、中とクラスのみんなから排除された。
排除された俺は、同じ排除された不良グループからも制裁を受ける。
もう、限界だった。
「早く楽になりたいと思った。」
今になってわかるんだ。
あの不良グループのメンバーたちもこの社会から排除され強い孤独感を感じていたんだっていうことを。
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