
彼は同級生と交わるのがとても苦手でした。
何を話せば良いのか分からずに、気づけば友達の輪に入れなくなっていたのです。
それでも、なんとか大学まで頑張って出ました。
卒業後は就職もしたのですが、短期間で不安が大きくなり職場に行けなくなってしまいそのまま退職したのです。
退職後はそれでも次の就職先を探したのです。
それと同時に病院にもかかりました。
色々と検査を受けたら、ASDと診断を受けました。
それで就労移行支援サービスでお世話になることになりました。
ビジネスマナーや日常生活での常識などを日々学んだ彼です。
そして、障がい者枠で就労に再度つきました。
職場の人たちはとても優しく接してくれて居心地は良かったそうです。
ただ、自分は障がい者として見られていることに納得がいかなかった彼です。
もっと普通に接してほしかったそうです。
契約期間満了まで働き続けたことは彼の自信にはなりましたが、職場の人たちとの交流は仕事の場だけでそれ以上は何もなかったことがとても寂しかったそうです。
自分はこの社会で受け入れてもらえないと強く感じた彼は、不安が強くなりそのままひきこもってしまいました。
ひきこもる前にもう一度気力を振り絞ってカナダの英語学校に短期留学をしました。
観光をしたりしてカナダでの生活は楽しかったそうです。
しかし、日本に帰国後はひきこもってしまいます。
6年間のひきこもり生活の中でいつもなんとかしたいと思っていた彼です。
それで、インターネットの世界で助けてくれる団体を探していました。
そして、このブログを見つけた彼です。
このブログを読んでエイジさんの、何度失敗しても諦めずに頑張っている姿に感動した彼です。
この団体なら自分の様な状況の人でも支援をしてくれるのではと、勇気を絞って問い合わせしたと言いたいのですが、この団体を見つけてくれてから、実際に問い合わせのメールを送ってくれたのは、6ヶ月後でした。
怖くて怖くて連絡も取れなかったそうです。
スタッフの青木は怖い顔をしていますが、僕は見るからに優しいじゃないですか。
みなさん、お気軽にお電話ください。
昨年の6月僕は東京の彼の自宅の近くで会いました。
色々と話をしていく中で、なんとかしてひきこもりから脱出したいという気持ちが強く僕に伝わりました。
それから僕の勧めで、彼はフィリピンに来たのです。
1人では飛行機に乗ることができないほど、他人の目が怖くて、僕は彼に寄り添いながらフィリピンにお連れしたのです。
1度でフィリピンが気に入った彼です。
帰りたくない。
このままこの国で生きていきたいと何度も何度も僕に話してくれました。
「フィリピンの何がそんなに良いの?」と聞きましたら、「みんな優しい。向こうから僕に話しかけてくれる。僕がおかしな人間だなんてだれも思っていない。」
「日本ではどう感じたの。」と僕が聞きましたら「友達も1人もできなかった。いつもひとりだった。ここフィリピンで僕は久しぶりに笑うことができた。」
そんな彼の話を聞きましたら、自分が初めてフィリピンにきた時のことを思い出して、涙が出てしまいました。
30年間ひきこもってしまい、死んでしまうしかないとおもっていた僕です。
そんな僕にフィリピンの皆さんは普通に接してくれました。
1人の人間として見てくれました。
だから彼の言っていることがよくわかるのです。
そんな彼が今ではおおきくおおきく変わったのです。
明日また彼について書きます。
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