私、30年間ひきこもっていたわけです。
30年間ひきこもっているとあちらこちらがおかしくなってきます。
まず体力がなくなります。
足が鶏の足みたいになっていました。
30年間のひきこもりをやめて外に出ようとしましたが、歩くことが困難でした。
食べては寝て、起きては食べての繰り返しでしたから、体重も100キロ近くになっていました。
だから、私が最初にやったことは歩く練習でした。
もちろん1人ではできないので、支援してくれているスタッフに寄り添ってもらいながらです。
スタッフは、コーチのように私の歩行訓練を手伝ってくれました。
それは3年近く続きました。
その成果が出て、私は自由に歩くことができるようになりました。
私はまた、自信も失っていました。
30年間、親以外の人と話していませんので。
だから、サポートセンターに行くときは、車で迎えに来てもらっていました。
電車には怖くて乗れませんでした。
外出する時には、必ずマスクをしたり、寒い時には手袋もしていました。
それは寒さ対策ではなくて、他人が怖くてそうせざるをえなかったのです。
まあ、夏は流石に手袋はできませんでした。
10年間の支援を受けても、人の目を見て話すことが苦手でした。
自信をなくして、ひきこもりました。
自信をなくしたまま、30年間ひきこもりました。
ひきこもりから回復した後も10年間不安な毎日を過ごしていました。
でも・・・・・。
私、最近とてもワクワクしています。
スタッフから、「エイジさん、あなた、相手の目を見て話ができる様になったね。」と言われたからです。
先日、スタッフ2人と私の3人でタクシーに乗った時、私は他のスタッフに話しかけたのです。
「車を買いたいけれど、女性から見てどんな車に乗ると嬉しいですか?」とスタッフに聞きました。
「私は、スポーツカーがいいな。」と若いスタッフが言いました。
「私はおばさんだから、人がたくさん乗れる車がいいです。」「エイジさんは?」と聞かれたので「運転に自信がないから、小さい車がいいです。」と言いました。
「日本では運転していましたか?」というような会話のやり取りをしました。
ふと見るとスタッフが泣いていました。
「どうしたの?」と私が聞いたら「エイジさん、あなた会話ができましたね。」と言ったのです。
私は気づきませんでしたが、スタッフに言わせると自分から話しかけたのは、これが最初だったとのことです。
スタッフは、すぐに青木さんに報告していました。
スタッフの携帯から、青木さんの大きな声が聞こえました。
「よかったな!!」
少しずつ、少しずつ自信を獲得していきたいです。
ゆっくり急げよ!!
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