僕は東大まで進んだにもかかかわらず、人間関係がうまく築けないことで、社会に適応できませんでした。
人によって得意不得意があるでしょう。
でも僕の場合はそのばらつきがかなり大きくて、日常生活の中で出来ないことが多くあるのです。
そのことで、社会に適応できなかったわけです。
今回から、苦手な領域の具体例をひとつずつあげていきます。
まず、僕は色の違いを皆さんの様には見分けられません。
例えば、青色。
濃い青色と薄い青色。
この2つは明らかに違います。
皆さんの目には、その違いが分かりますよね。
僕には2つの色の違いがはっきりとは分からないのです。
空港で預けたスーツケースがベルトコンベヤーで流れてきます。
僕のスーツケースは薄い青色。
青色のスーツケースが流れてきました。
手に取ろうとしたら、スタッフが「その色は違うでしょう。」と僕に言ってくれたのですが、確信が持てない僕はそのスーツケースを手に取り、手元のタグとスーツケースについているタグを見比べました。
手にした青色のスーツケースは僕のスーツケースではありませんでした。
少し待っていると、また青色のスーツケースが流れてきました。
「あれが東大さんのスーツケースだよ。」
スタッフが優しく言ってくれました。
でも確信が持てない僕は、手に取ってタグを見て確認したのです。
コンベヤーからスーツケースを下ろしました。
そして、再度僕が設定したキーの番号を試してみました。
やはり僕のスーツケースでした。
「あなたの色のスーツケースはそんなに多くはないよ。
多くは黒、シルバー、赤、紺、ホワイトなんかの色でしょう。でも、ライトブルーはあまり見ないよね。」
年間搭乗回数100回の青木が言いました。
「もしかして、色の違いをよく認識できないのでは?」とスタッフが僕に聞きました。
その通りなんです。
小さな時から、色の違いをはっきりと瞬時に認識でないのです。
「そうだったんだ!!」
「知っていたなら、もっと早く言ってよ。そしたらそれに合わせた支援ができたのに。」と青木が少しやるせない表情で僕に言ったのです。
僕には苦手なことがたくさんあります。
そのことで社会に適応できなかった僕です。
大切なことは、自分自身を良く知り、どうしたらより快適に生活できるのか?
その術を身につけることなのです。
できるだけ社会に出る前にそのことを身につけたいものです。
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