発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

台風が何もかも持ち去った。東大卒30年ひきこもったASDな僕

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恥ずかしいけれど載せたいと思いました。

 

 

「ゴオー」という地の底から鳴り響いてくるような音。

「ドカーン」という音とともに、屋根が剥がれる音がした。

隣の家の屋根が飛んだんだ。

 

 

この家の屋根が飛ぶのも時間の問題だ。

時間の経過とともに、吹き荒ぶ風の音は強さを増していく。

 

 

僕が不安だったのは、海水が強い風の力で陸まで押し寄せてくること。

水際からわずか300メートルしか離れていない僕の家に海水が浸水してくるのか?

しかし、海の地形から考えて、波が干渉しあい、ここまで水がくることはないと考えた。

 

 

 

残る不安は、建築途中の2階部分。

コンクリート作りといいながら、細い鉄筋が数本入れてあるだけのお粗末な作り。

そして、数年に渡り放置されていることから、塩分を含んだ雨水がコンクリートを侵食していることはわかっていた。

 

 

スタッフからも、2階部分の崩落に備えて、荷物を全部すみの方に置いてくださいと連絡があった。

台風の勢力がピークに達した頃、「ドーン」という大きな音とともに天井が崩壊した。

2階のコンクリートが倒れて屋根を直撃したのだ。

 

 

穴が空いた屋根から、黒々とした夜空が雨と一緒に視界に入ってきた。

幸いコンクリートの破片は僕には当たらなかった。

 

 

風と雨が時間と共に収まった頃、僕は眠りについた。

目が覚めたのは朝7時。

穴が空いた天井から光が僕の顔にさした。

 

 

急いで外に出た僕。

近所はしっかりとした作りだったので、被害は少なかった。

表通りに出たら、多くの家が崩壊していた。

 

 

三匹の子豚の話を思い出した。

藁と木でできた家は吹き飛ばされたという話。

まさに、シャルガオの現実はそれだった。

 

 

他者のことを考えている余裕など僕にはなかった。

半壊した家をぼーっと眺めていた僕。

力が抜けて、その場にしゃがみこんでしまった。

 

 

何もかも失った。

お金はもうない。

半壊した家の修繕なんかもう無理だ。

 

 

今までの努力はなんだったんだ。

婚約している彼女のことを思った。

携帯を取り出したけれど、圏外の表示。

 

 

試しにかけてみたけれど「プープープー」の音だけが虚しく鳴っている。

 

 

3日後、電波がつながる。

彼女になんと言えば良いのか?

 

 

わかっていることは、今の僕には彼女に対する責任が取れないこと。

僕の方から別れを切り出さなくてはいけない。

素直に現状を伝えて、謝るしかない。

 

 

そして日本に帰ろう。

日本で何をする?

嫌な思い出しかない日本で・・・。

 

 

彼女に電話をした。

彼女は泣いてくれた。

「生きていてくれて、それで十分だ。」と言ってくれた。

「何もかも失ってしまった。」と僕。

 

 

「また、一緒に0から始めれば良いんだよ。諦めたらそれでゲームセットなんだよ。私がいるから大丈夫。明日から、始めようね。」

30歳近く歳が離れている彼女が、僕の背中を押した。

 

 

僕はそれ以上何も彼女に言えなかった。

ただ、今まで経験したことがないくらいに泣いた。

母親の葬儀の時にも泣かなかったのに!!

 

 

台風は僕の最後の希望だと思っていた夢を持ち去った。

しかし、新しい希望が、家以上の希望が僕に残されていることを教えてくれた。

 

 

彼女。

愛しい彼女。

 

 

そして僕が長年拘っていた後悔や負の感情。

台風はそれらも一緒に持ち去ってくれた。

 

 

僕は大丈夫。

彼女がいてくれるから、大丈夫。

今、こんな状況でも僕は幸せなのです。

 

 

 

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