これから大野隆改め Taka Onoと名乗りたい気分です
僕は53歳で母親の元を離れました。
それまで、母は絶えず僕の世話をしてくれていました。
僕がフィリピンで人生をやり直す為に、日本を離れた2日後に母は天に召されました。
優しい母でした。
母に自立した姿を見せたかった。
できれば、結婚をして、孫の姿も見せたかった。
僕には申し分のない母でした。
しかし、僕は今感じるのです。
母は優しさのあまり、僕の自立を考えられなかったのです。
ひきこもって笑顔も見せない息子を不憫に思っていたのでしょうね。
だから、なおさら私に対して甲斐甲斐しく世話をしてくれたのだと思います。
しかしその結果、私は母なしでは生きていくことができない状態になっていたのです。
ゴミの分別はとてもイライラするものでした。
自炊をする為のスーパーでの買い物は何を買えば良いのか、思いつきません。
多めに買ってしまった食材を腐らせて、無駄にしてしまった時にはとても落ち込みました。
米は研がなくてはいけないんですね。
爪を切ること、鼻毛、耳毛の処理。
服は毎日着替えること。
お風呂に入って体の隅まで丁寧に洗うこと。
歯磨きは最低3分間、日に2回が良い。
歯磨きの仕方を学んだ。
物の捨て時がわかりませんでした。
だから物が溜まっていく。
使わないものが溜まっていく。
ゴミの山となる。
所有したものを捨てることができない。
イオンモールでもらったヨーロッパ旅行のパンフレット。
賢い保険の選択という冊子。
マクドナルドでもらったクーポン券。
ちびた鉛筆。
誕生日ケーキを包んでいた綺麗な包装用紙。
ゴミがたまる。
たまる。
お金はたまらず、ゴミだけがたまる。
そしてストレスも溜まっていく。
お母さん、色々と優しくしてくれてありがとうごさいました。
でもお母さん、１つだけやっていて欲しかったことがあるんです。
お母さんがいなくなっても、1人で生きていくことができるようにはして欲しかった。
お母さんは優しさのあまり、僕の自立する機会を奪ってしまったんですよ。
でもおかあさん、大丈夫なんですよ。
7年間、僕は個別に家族のように寄り添ってもらい、自立できるまでに支援を受けたから。
他の兄弟にも迷惑をかけることなく、残りの人生を生きていけるようになったんだよ。
今年中には、可愛いお嫁さんも見つけるつもりだから安心して天国で休んでいてください。
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