感情をのせずに話すことを機械語と私たちは呼んでいます。
ASDと診断された人にみられる症状です。
もちろん〈機械語〉なんて私たちが勝手に言っているだけです。
でもきっと専門家の中では知られた症状だとは思います。
そして、どのように改善するかもわかっているんでしょうね。
多分私たちのやり方とそんなにも変わりがないとは思っていますが。
機械語の使い手と言えば、ヒロさんでした。
しかし、13年間の支援で彼は見事に感情をのせて話ができるまでになったのです。
数人の前で話したケースから500人程度の前で話したことなど、都合10年間で200件近くの講演会をしたヒロさんです。
多くの人に発達障害の話を知ってほしいという思いだけではなく、彼はそこで自分の支援者も探す必要があったのです。
大学の授業料、生活費、交際費などを自分で稼がないと日本に帰国しなければならなかったヒロさんです。
ですから機械語では思いが伝わりませんので、必死になって練習をしたのです。
長い時間がかかりましたが、今ではどこに出てもちゃんとした話ができるまでに成長したのです。
その一方、Aさんは日本語での話し方の改善はそこそこにして、英語で話すことに切り替えたのです。
英語の方が日本語より、よりうまく通じます。
うまく話せるわけではなく、外国人が話す英語ということで、聞き手は差し引いて受け止めてくれるのです。
英語でも感情を乗せることを苦手としているAさんなのです。
日本語よりは随分とましなのですが。
もっというならば、フィリピンの地方の言葉ビサヤ語を一生懸命習得しています。
日本人でビサヤ語を話せる人は50人もいないのではと思います。
日本人が話す感情の乗っていないビサヤ語でも、日本人が話すということに、大きな驚きを持って大目に受け止めてもらえるのです。
ヒロさんも、Aさんも同じくASDと診断されていますが、その状況は違うのです。
Aさんにはヒロさんのような話し方の特訓はしません。
その分、彼が得意な違うことを身につけさせるように努力しています。
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