発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

家庭内暴力の子どもが欲しいのは・・・ 青木

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家庭内暴力は何もかもを消耗させてしまう

 

 

今年はコロナの影響でしょうか。

年末年始の緊急の相談電話が鳴りませんでした。

活動を開始して以来の静かな新年を迎えました。

 

 

 

でもどこかで家庭内暴力は起きているのではと思います。

アドバイスを必要としている方達に私たちからアドバイスをします。

 

 

 

そのアドバイスの根拠は、30年間支援の現場にたち続けて得たこと。

青少年の復学、社会復帰のお手伝いをして、回復した1000人近くの青少年達から教えてもらったことです。

 

 

 

まず暴れている子どもにどう接するかです。

 

 

 

多くの親御さんがこう言います。

「ご近所迷惑だろうが!!」と父親が一喝。

 

 

お母さんが横から小さくこう言います。

「ご近所さんが笑ってるよ。隣の○○さんがこの間、御宅の△△君大丈夫ですかって聞かれたんだよ。私は恥ずかしくて外にも出られない。」

 

 

 

そして、当事者はさらに暴れるのです。

家に火をつけたり、車を廃棄処分にしてしまったり、ヒロさんはバットでお母さんを・・・。

 

 

暴力をふるって家族を傷つけた彼らは、その後そのことを引きずって生きていきます。

そのような後悔をさせないように、暴力を出させないようにしましょう。

 

 

 

「落ち着け!!」の言葉は効果があります。

でも、もっとも落ち着かなければならないのは、暴れている当事者ではなく、親御さんの方なのです。

 

 

 

こう言ったらどうでしょうか。

「お前が暴れたり、大声を出したりするのにはきっとわけがあるんだ。その理由をお父さんとお母さんに教えてくれ。黙ってお前の話に耳を傾けるから。」

 

 

「今までお前の苦しみや悲しみに寄り添えなくてごめんな。でもお前は、大切な子どもなんだ。できることならどんなことでもするから、一緒に考えていこう。まだ遅くはないんだ。」

 

 

 

まずは親御さんが暴れている子どもに話す必要があるのです。

私は家庭内暴力の現場に立ち会うことがあります。

その時によく言われるのが次のことです。

 

 

「青木先生、うちの子に何か言ってやってください。」と。

私はこう言います。

「まずは、親御さんが子どもさんに話しかけてください。私の発言はその後です。」

 

 

 

親御さんが何も話さずに第3者が最初に話しかけると子ども達はこう言います。

「この出来損ないを産んだのはお前達だろ。お前達の責任なんだ。それを放棄して、他人に押し付けるなんて、お前達はクズだ。」

想像ですけれど・・・。

 

 

 

落ち着かせることはできます。

問題は落ち着いたその後なのです。

彼らに回復への具体的な希望を見せなければなりません。

 

 

 

なんの根拠もないのに「大丈夫だ。」とか「まだ遅くない。」という言葉がけは間違ってもしてはいけません。

 

 

 

一度はその言葉を信じる子ども達です。

でも、それがなんの根拠のないものだとわかれば、彼らの落胆はさらに大きくなり、もう誰の言葉にも耳を傾けなくなるでしょう。

 

 

 

チャンスは何度もないということです。