小学校で不登校のW君。
でも頑張って通学する努力をしていました。
しかし、中学で息切れしてしまい数日通って全く行けなくなったのです。
彼はひきこもっていました。
それで、サポートセンターのスタッフがなんども訪問し、説得して、彼は支援に繋がったのです。
支援に繋がりはしましたが、最初から心をひらいてくれた訳ではありません。
すぐに心をひらいてくれれば、こんなに簡単なことはないのです。
W君と私たちサポートセンターとで信頼関係を構築する必要がありました。
その為に必要なものは、体験を共有するということです。
魚釣りに行きました。
ボーリングにカラオケ、映画、ハイキング、ドライブ、キャンプ泊いろんな体験をW君と共有したスタッフたちです。
心から、他者との交流に飢えていたW君。
彼との強い絆が出来上がりました。
私はW君の家庭教師をしていました。
その時にはすでにとても素直な良い少年になっていました。
でもよく涙を流していたのです。
小学校でみんなから排除されたことを思い出して、泣くのです。
そんな時には、彼の大好きなスターバックスに連れて行くのです。
「ダーク モカ チップ クリーム フラペチーノ」が大のお気に入りでしたね。
それを飲むと、良い笑顔になるんです。
インターナショナルハイスクールに入学するのですが、「また日本みたいにみんなから、無視されるのでは?」ととても不安になっていたW君。
入学初日は頭痛がするということで、半日で帰宅しましたね。
しかし、プログラミングを学んで、オリジナルのゲームを開発して、クラスの人気者になった彼です。
そこから、彼は大きく変わっていきました。
無遅刻無欠席でインターナショナルハイスクールを卒業。
「卒業後は日本でやり直したい。どれだけ通じるか挑戦したい。」とのことで、日本に帰りました。
アルバイトを6ヶ月間やりましたが、2ヶ月間はどこのアルバイトも数日でくびでした。
何が問題なのかをスタッフと話し合い問題点を1つ、1つ解決していき、6ヶ月後にはどこで働いてもやっていけるまでになったのです
そして、学校復帰です。
すんなりと学校に順応していったW君。
1年目、無遅刻無欠席。
でも、1年目の成績表を見せてはくれなかった彼です。
ところが、先日「見せるのを忘れていましたね。1教科以外はほぼ満点です。」と誇らしげに言うW君。
W君には内緒で先生に様子を伺っていましたから、成績表を見なくてもわかっていた私たちです。
しかし、実際に彼から手渡された、成績表を見ましたら、スタッフが泣いてしまったそうです。
無遅刻、無欠席。
それで十分なのです。
彼の名誉のために書いておきますが、1教科が7割で、あとは全て9割ですから、驚きです。
長い時間かけて、家族のように関わってきたW君が大きく変わったのです。
みんなから無視されていると泣いていた15歳の彼が、今は立派な青年になっています。
「今度友達と焼肉パーティをするんです。僕、幹事任されちやって、どこで買えば安いですか。」と笑顔で話す彼を見て、私たちの今までの日々の支援の成果が出たのだと、心から嬉しく感じました。
彼の支援は終了しています。
私たちは今、次の青少年たちを笑顔にするために日々支援に奮闘中です。
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