多くのお母さんが〈療育〉をしてみえます。
しかし、〈療育〉をやればやるほど、同世代と比べて、できないことや苦手なことが次から次へと出てきて、いつになったらこの〈療育〉が終わるのだろうかと考えて、疲れ切ってしまうのです。
そんな時には、優先的にやっておかなければならないことに着眼しましょう。
就学前、小学校、中学校とでは学ぶ内容が違います。
しかし、いずれも他の同級生より、早めに教えていくことが良いです。
身辺自立が最優先です。
・清潔に保つこと
着替え、入浴、爪、鼻毛、耳毛、ひげ、鼻のかみ方、歯磨きの仕方
・食事中のマナー
1人で食べるとき、外食での注意
・外出
公共交通機関の乗り方、他人といるときのマナー(騒がない。動き回らない)
人との関わり方。
・挨拶ができること、人にお願いする時のやり方、謝れること
・人を傷つけない。(嫌なことがあっても、人を叩いたりしない。)人から傷つけられない。(他人から、嫌なことをされたら、やめてとはっきりと言える。)
これらが出来ていないと、やはり集団の中で孤立してしまいます。
20代、30代から教えていくことは、時間の無駄と本人の著しいやる気の低下を招きます。
ですから、私たち支援者からしたら、最低限の身辺自立、人との関わり方ができていれば、その後の経済的、精神的自立への支援にすぐに移行できるのです。
30代、40代、中には50代の人たちに、身辺自立を教えていくことは、大変なことです。
彼らも薄々はできないことが多いと気づいてはいるのです。
しかし、私たち支援者が、できないことを1つずつ、当事者に見せていくと、気持ちがとても下がり、暴れたりすることがとても多いです。
それを落ち着かせて、「ゆっくりでも確実にやっていくしかない。」と伝えて、再びやる気にさせていく必要があるのです。
50代男さんは、そのような状況になって、自分に絶望して日本に帰国してしまったのです。
しかし、またフィリピンに戻ってきます。
日本で色々と考えたと話してくれました。
日本にいても何も起こらない。
何も変わらない。
「もう一度、頑張りたい。」と話してくれました。
もちろん、ゴールはとても遠いのです。
しかし、座して死を待つか、果敢にチャレンジをするかどちらかなのです。
彼はチャレンジを選びました。
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