発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

母親がこうすれば子どもはより良くなっていく。ヒロ

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僕は小、中と不登校

ほとんど出席はしていない。

だから通知表はオール1だった。

 

 

 

僕は15歳の時に病院で発達障害の検査を受けた。

アスペルガーADHDの両方があると医師から言われた。

衝動性が高いので、それをまずは改善していこうとなった。

 

 

 

自分がそう診断されても、特別に何も思わなかった。

また一つ、俺のバカさを言い表す言い方が増えたのかと思ったぐらいでした。

 

 

 

で、俺は病院併設のディケアセンターのようなところに通った。

真面目に通い続けた。

 

 

しかし、医者から「もっと君に向いている施設があるから、そこを紹介する。」と言われた。

 

 

 

結局、「うちではどうすることもできない。」と言う意味だということがわかった。

 

 

 

「もうどうでもいいや。勝手にしやがれ。」

とてもじゃないが、前向きにはなれずに腐っていた。

 

 

 

前向きになれないと、風呂には入れない。

もちろん、服も着替えることはできない。

朝、みんなが起きる時間に起きようとも思わない。

 

 

 

せいぜい、ゲーム依存かインターネットへの罵詈雑言の書き込みぐらいが俺にできる仕事。

 

 

そんな俺を前にして、母親は最後の奇襲に出る。

昼頃めざめたら、俺の大事なゲーム機器がないんだ。

家中さがしてもない。

 

 

 

母親の仕業だ。

母親を問い詰める。

無言の母。

 

 

「ヒロ、どうして真面目に生きようとしないんだ。何が不満なんだ。お母さんにわかるように言ってくれ!!」と絶叫する母。

 

 

「黙れ、黙れ、クソババア。さっさと言わないと叩き殺すぞ!!」

髪の毛を鷲掴みにされた母は、それでもゲーム機のありかを白状しない。

 

 

一発、二発と俺の憎しみに満ち溢れたパンチが母親の肩めがけて繰り出される。

(もちろん、怒っていてもどこかで手加減するんだ。僕たちは!!)

 

 

幼い兄弟たちが、俺の背中を叩く。

「お母ちゃんが死んじゃうよ。」って。

 

 

 

俺は気が狂ったようになってしまい、家の外にでる。

そこでゴミ箱が目に入った。

 

 

ゴミ箱に違いない。

探したら、俺の大事なゲーム機が、スーパーの買い物袋に入れられて捨ててあった。

 

 

しかし、よく見ると、ゲーム機に何かの液体がかかっていた。

それを見た俺は、切れた。

すぐにあいつを叩き潰そうとドアノブに手を回したら、鍵がかけられていた。

 

 

ゴミ箱を玄関のドアに叩きつけて、俺は家を後にした。

夜の暗闇にまぎれていった。

 

 

母親は、俺をなんとしてでもよくしようと思ったんだ。

 

 

俺を叩いた。

蹴った。

ご飯を与えなかった。

 

 

 

方位、先祖のたたり、栄養学、スーパーカウンセラー。

色々と考えたんだ。

 

 

しかし、それは俺をさらに追い込むだけとなった。

 

 

母親が関わって、何も良い方向には向かわなかった。

それどころか、俺の状態は悪化していくばかりだった。

父親は支援者めぐりをしていた。

 

 

結局どこも支援をしてくれなくなった時に、医者からの紹介を思い出した父。

「そうだ、サポートセンターに行こう。」

 

 

家族のように接してくれたスタッフたちや青木のおっさん。

彼らは13年間、片時も離れず一緒に居てくれた。

 

 

俺はインターナショナルハイスクールを卒業した。

フィリピンの大学で学生代表にも推薦された。

そして卒業。

 

 

就職もできた。(やめさせられたけど。)

 

 

10代の頃の俺とは違う俺がいる。

 

 

「これは家族の問題だから、自分たちで解決しなければならないこと。」と、父と母は長いこと思っていた。

「もっと早くに家族以外の人に助けてもらうべきだった。」と、今父は言う。

 

 

2019年春。

 

 

今こそ、子どもを手放してみましょう。

子どものためにも、両親のためにも、他の兄弟のためにも。

 

 

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