仲間でバイキングスタイルのレストランに行ったら、あなたはどうしますか?
僕はもともとひきこもっていましたし、小、中と友達もいませんでしたから、バイキングスタイルのお店に初めて行ったのは、40才でした。
バイキングスタイルのお店に入りますと、最初にみなさん手を洗いますね。
そして、トレーにお皿をのせて、好きな料理をお皿に盛っていきます。
トレーが一杯になったら、テーブルに移動して、そこでトレーを下ろして、ジュースなどの飲み物を取りに行きます。
自分が先にテーブルについたら、手を振るなどして、他の仲間に着いたテーブルを教えます。
そして、仲間がテーブルに着くまで待ちます。
みなさんそうしていますよね。
僕はそうすることができませんでした。
僕の場合。
バイキングスタイルのレストランに仲間と入りましたら、とにかく早く食べたいので、手なんか洗う暇なんてありません。
トレーにお皿を載せられるだけ載せて、どんどん料理を盛っていきます。
トレーが一杯になってもお皿を2段に重ねていきます。
一旦、一杯になったトレーをテーブルに置いたら、すかさず、見ていないコーナーを偵察に行って、食べたいものがあったら、またお皿に盛ります。
そんなことを何回も繰り返します。
そうしますと、テーブルの上には、自分が食べたい料理を盛った皿で一杯になります。
席に着いたらすぐに食べ始めます。
お腹をすかした子犬のように夢中で食べます。
そして、全部食べ終わっていなくても、また食べたいものがあったら、その料理を取りに行きます。
「Joeはどこのテーブルにいるの?見当たらないな。Joe!!」
そんな呼びかけも僕には聞こえません。
ひたすら食べます。
3年前の僕です。
「その食べ方は間違っているから治そうね。」とサポートセンターのスタッフに言われました。
何が間違っているのか、わかりませんでしたので、「なにかおかしいですか?」と聞き返しました。
「みなさん、遅いですよ。もっと、さっさと料理を取れませんかね。」と言った僕です。
みなさん、僕たち程度の悪いアスペルガーはこんなふうなのです。
知らないことはわからない。
40才で、そんなことも知らないの?
はい、知りませんでした。
サポートセンターで支援を受けなければ、今でも知らなかったでしょうね。
「みんなで食事をする意味がないよ。」
「みんなで一緒に食べるのです。」
「そうだったんだ!!」
「Joe、これはとても大切なことだから、覚えてね。」と言われたことをよく覚えています。
今は?
もちろん、バイキング形式のレストランに行けば、みんなのために、真っ先に席を確保して、他の仲間に場所を教えて、誰かがテーブルに着いてくれたら、今度は僕が料理を取りに行く。
そうしています。
そうするものなんだと教えてくれたのでわかったのです。
「経験していないことはできない。」
これ、僕たちのような人には鉄則です。
だから東大さんが言うように「経験、経験、経験をこどもに与えてくださいな。」なんですよ。
ほんと、僕たちのような子どもには、特別に時間をかけて、経験を与えてくださいな。
「大変だな。」
はい、その通り大変な子どもです。
「手間がかかるし、お金もかかる。」
はい、その通りです。
でも、小さい時から、同じ年齢の子どもより、より多くの上質な経験をさせますと、僕や東大さんのようにはなりませんので、お母さん、頑張って子どもさんに経験を与えてあげてくださいな。
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