2010年くらいかな。英語漬けの日々の1コマ
Aさんの事情聴取は3時間にも及んだ。
おいらは近くの喫茶店で時間を潰していた。
警察署から出てきたAさんは混乱していた。
青木さんの運転する車でサポートセンターに戻った。
会議室で僕とAさんと青木さんで話し合った。
「Aさん、ヒロさんに今日のことを報告できる範囲で話してもらえますか。」
「Aさんは自分が正しいと思っているでしょう。ヒロさんにもAさんの考えを教えてください。」と青木さんは言った。
当時のことを思い出して書いています。
僕自身はっきりとしたことはあまり覚えていない。
「僕は家からサポートセンターに来る間の電車内で、Bさんを見かけました。」
「一目惚れっていうやつだと思います。」
「それで、頭の中がBさんのことでいっぱいになっていきました。」
「電車に乗っている間、いつもBさんを見ていた。」
「それから、Bさんのあとをつけていくことにしました。」
「今日警察に捕まったのは、Bさんが働いている会社の敷地内に無断で侵入したからです。」
「これからは無断では侵入はしません。」
最初はこんな感じで話していたと思います。
「ヒロさんはどう思いますか?」と青木さんから言われたので 「BさんはAさんのことをどう思っていると思いますか。」と俺は彼に聞いた。
そうしたら急ににニコニコしだして「そりゃあ、僕のことを好きでしょ。」
「どうしてそう思うの」とおいらが聞いた。
「僕が見ていることを意識しているから。」
「Bさんとは何か話したことはあるんですか?」と聞いたら「話さなくても気持ちは通じ合っている」と言った。
俺は驚いた。
どうしてこんな思い込みをするんだ。
ちなみにAさんはアスペルガーと診断されていました。
「Bさんは Aさんのことを好きだということですね。」と再び聞いたんだ。
「Yes」とAさんがなぜか英語で答えたことだけはよく覚えている。
なんか「心ここにあらず。」という感じだったな。
「じゃあなんでBさんはAさんを警察に通報したの?」
「違いますよ。Bさんじゃなくて、会社の連中が警察に通報したんだ。」
「Bさんからもはっきりと『つきまとわれて怖いからやめてほしい。』との発言があったんだけれど。」と青木さんが言った。
「だから、なんども言いますけれど、Bさんから直接話を聞かない限り信じられないですよ。」
「会社の連中は嫉妬心で僕を警察に通報したんだ。」
と、突然立ち上がって部屋の中をぐるぐる歩き回り始めた。
途中で、椅子を蹴っ飛ばしたり、唾を室内に吐いたりし、声を出したりもした。
しばらくして、落ち着いたAさんが言った。
「青木さん、僕の恋の邪魔をしないでくれますか。」
「それと明日から支援センターにはきませんので、よろしくお願いします。」
「帰っていいですか?」Aさんが聞いたので「自宅まで送っていくよ。」と青木さんが言った。
「ヒロさんも一緒してくれないかな」と青木さんから言われた。
今の時間だけでもおいらはとても気分が滅入っているのに、まだ解放されないのか。
はああああ。
こりゃあ、大変だな。
まだあと3回ぐらいは続きます。
多分。
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