発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

性的逸脱行動がある人への支援 2 ヒロ

f:id:smilehousejapan:20180806135502j:plain      2010年くらいかな。英語漬けの日々の1コマ

 

 

 

Aさんの事情聴取は3時間にも及んだ。

おいらは近くの喫茶店で時間を潰していた。

 

 

 

警察署から出てきたAさんは混乱していた。

青木さんの運転する車でサポートセンターに戻った。

 

 

会議室で僕とAさんと青木さんで話し合った。

 

 

「Aさん、ヒロさんに今日のことを報告できる範囲で話してもらえますか。」

「Aさんは自分が正しいと思っているでしょう。ヒロさんにもAさんの考えを教えてください。」と青木さんは言った。

 

 

当時のことを思い出して書いています。

僕自身はっきりとしたことはあまり覚えていない。

 

 

「僕は家からサポートセンターに来る間の電車内で、Bさんを見かけました。」

「一目惚れっていうやつだと思います。」

「それで、頭の中がBさんのことでいっぱいになっていきました。」

 

 

「電車に乗っている間、いつもBさんを見ていた。」

「それから、Bさんのあとをつけていくことにしました。」

 

 

「今日警察に捕まったのは、Bさんが働いている会社の敷地内に無断で侵入したからです。」

「これからは無断では侵入はしません。」

 

 

最初はこんな感じで話していたと思います。

「ヒロさんはどう思いますか?」と青木さんから言われたので 「BさんはAさんのことをどう思っていると思いますか。」と俺は彼に聞いた。

 

 

そうしたら急ににニコニコしだして「そりゃあ、僕のことを好きでしょ。」

「どうしてそう思うの」とおいらが聞いた。

 

 

「僕が見ていることを意識しているから。

「Bさんとは何か話したことはあるんですか?」と聞いたら「話さなくても気持ちは通じ合っている」と言った。

 

 

俺は驚いた。

どうしてこんな思い込みをするんだ。

ちなみにAさんはアスペルガーと診断されていました。

 

 

「Bさんは Aさんのことを好きだということですね。」と再び聞いたんだ。

「Yes」とAさんがなぜか英語で答えたことだけはよく覚えている。

なんか「心ここにあらず。」という感じだったな。

 

 

「じゃあなんでBさんはAさんを警察に通報したの?」

「違いますよ。Bさんじゃなくて、会社の連中が警察に通報したんだ。」

 

 

「Bさんからもはっきりと『つきまとわれて怖いからやめてほしい。』との発言があったんだけれど。」と青木さんが言った。

 

「だから、なんども言いますけれど、Bさんから直接話を聞かない限り信じられないですよ。」

「会社の連中は嫉妬心で僕を警察に通報したんだ。」

 

 

と、突然立ち上がって部屋の中をぐるぐる歩き回り始めた。

 

 

途中で、椅子を蹴っ飛ばしたり、唾を室内に吐いたりし、声を出したりもした。

 

 

しばらくして、落ち着いたAさんが言った。

「青木さん、僕の恋の邪魔をしないでくれますか。」

「それと明日から支援センターにはきませんので、よろしくお願いします。」

 

 

「帰っていいですか?」Aさんが聞いたので「自宅まで送っていくよ。」と青木さんが言った。

 

 

「ヒロさんも一緒してくれないかな」と青木さんから言われた。

 

 

今の時間だけでもおいらはとても気分が滅入っているのに、まだ解放されないのか。

 

 

はああああ。

こりゃあ、大変だな。

 

 

まだあと3回ぐらいは続きます。

多分。

 

 

 

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