現在フィリピンに帰っています。
なぜかと言いますと、1人の少年の支援を任せられているからです。
10代で高校中退です。
状況は良くないです。
彼はやらない理由をいつも探しています。
ついには「霊」とか「悪魔」などの存在まで引き出して、「だから僕はできないんです。」と言い張ります。
もちろんすぐにやる気をだして回復目指してのプログラムをこなす人なんていませんよ。
「ひきこもっていた人がフィリピンにお連れしたら、あ〜ら不思議、自然とやる気を出すようになりました。」なんていうことはないですからね。
スタッフが夜遅くまで議論をして、頭を絞り絞り、作ったプログラム。
あんなに時間をかけて準備したプログラムが、当事者のその時の気分で、いとも簡単に取り消しになるんですからね。
「それが当たり前だと思わないと、この活動には参加できない。」
となんどもスタッフさんに言われましたよ。
まあ、ぼくには無理なんですがね。
僕たちは、彼のそんな発言を否定はしません。
そんな会話に付き合っていたら、「霊の存在を否定するのか。」「それだったらいないという証拠を出せ。」なんていう不毛な会話になりますからね。
本人だって心の底から「霊」の存在を信じているわけではないことは僕たちもわかっています。
一言で言えば、恐ろしいほど自信がないんですよ。
頑張ってやってもどうせ失敗するに違いない。
そう思うと、足がすくみます。
怖くて、一歩踏み出す気力もないのでしょうね。
じゃあどうするか?
時間をかけるしかないんです。
僕がそうでしたよ。
「僕はやってみよう。」と思うまでに、支援開始から3年かかりましたからね。
それと環境を全く変えてもいました。
日本にいては、もうどうすることもできない状況までになっていましたから。
僕みたいに13年間もスタッフと一緒に同じ家に住み込み、
家族のように関わってくれた支援でも心を開くまでに3年間もかかりました。
多くの場合、3、4年程度で支援の結果を出して欲しいというご両親からの依頼です。
ひきこもった期間だけ回復にも同じ年数が必要と言われています。
それほどひきこもってしまった人たちに自信を獲得させ、再び社会に戻すことは大変なことなのです。
それでもサポートセンターは良くやっているなと僕は思います。
Mr.Joeや劇団兄いは20年間ひきこもっていましたが、この春それぞれの道を歩んでいきました。
社会復帰できたのです。
支援期間はわずか2年です。
もちろん24時間365日体制の支援でしたけど。
東大さんや俊介兄いは5年間の支援。
大統領も5年間の支援だったかな。
三郎さんや、やすさんやジャイアンさん、みなさんそれぞれ数年はかかっていますよ。
そんな中、支援期間が数ヶ月です。
もちろん「その程度では十分な成果は望めません。」とハゲはなんどもご両親に言っています。
しかし、ひきこもっている彼を支援できる団体がないのですよ。
大変です。
数ヶ月で何らかの成果を出そうなんて。
しかし、目の前のこの少年に笑顔を取り戻させたいのです。
みんなとそこそこ仲良くできるようにしてあげたいのです。
「僕は同年代の連中と違ことが多いんです。だから僕は怖くなって学校をやめてひきこもりました。」
「ヒロさん、あなたに僕のその不安の大きさがわかりますか!!」
いつもは寡黙な彼がそう叫んだ。
それは心の底からの彼の叫びだ。
そう言い放つと、彼は大粒の涙を流して泣いた。
咽び泣くという表現が当てはまるような泣き方だった。
そんな彼を前にして僕は自分の無力さを感じます。
丁寧に寄り添っていくしかないんだけどね。
もちろん僕だけが彼の支援をしているわけではないです。
どうか無力な僕に知恵を与えてください。
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