彼女が寂しがっています。まめに連絡をしてあげてください!!!
「すみません、ちよっと背中がひりひりするんですけれど。」
50代さんがそう言って、僕に背中を向けた。
真っ赤になっていた。
「日焼け止め塗っていないでしょ。」
「あっはい。」
「僕言いましたよね。塗らないと大変なことになりますよって。」
「◯◯さんは言いましたよね。塗ったって。」
「めんどくさいので、まあいいかなって。」
「それがこういう結果になるんですよ。」
「もう少しスタッフのいうことを素直に聞いてください。聞いて損することはないですから。」
「ごめんなさい。これからそうします。」
「海にいく前は必ず、日焼け止め。鼻の周りとかおでこも忘れずに。1時間したら再度塗る。そして長袖のラッシュガードを着るんです。部屋に帰ったらシャワーをして、アロエの薬を塗って早めの就寝をお願いします。」
「すぐに泳ぐのをやめましょう。アロエの薬を塗りますんで、シャワーをしてきてください。」
その言葉が不服なのは顔の表情を見ればわかる。
「まだ泳ぎたい。」
「やめたほうが良いですよ。やけどみたいになりますから。」
「自分の体だから、自分で責任をとります。」
そう言って海に帰って行った。
その先には若い女性スタッフが待っているんだ。
ほんと、支援って大変だ。
それから1時間ほどして俺の携帯がなった。
ハゲからだった。
電話を取る前に怒られることはわかっていた。
「はい、まだ帰りの支度をしていません。まだ泳いでいます。」
「楽しんでいるのかな。」
「はい。それはかなり。」
「何か発言はありますか。」
「楽しいな。」
「生きていて良かった。」
「最高!!」
「生きていて良かった。連発だよね。」
「はい。『生きていて良かった。』大安売りです。」
「大安売りか。」
「ありがたいな。本当にありがたい。」
「感謝だな。感謝。」
俺の口癖がハゲから伝染したことをこの時初めて気づいた。
俺も言う。
「そう感謝!!」
「これからアメリカンボーイの学校で校長と面談があるんだ。」
「ヒロさんだけでも今から来られないかな。」
「授業中グループ分けになると、うるさいと言うことを体験者として語って欲しいんだ。」
「グループわけは意味がないよな。」
「あれはやめさせたほうが良いよな。」
「さすがに学校にそこまでは言えないんだ。」
「でも君なら言える。」
「元生徒だから。」
フィリピンはやたらとグループわけをするのでございます。
そうしますと、みんなやたらとテンションが上がるのでございます。
教室はクラブに早変わりとなるのです。
意味がありません。
青木さんの言う通り、授業を進める上で意味がないことです。
「クラス分けをしなければ、アメリカンボーイは学校に行き続けられるよ。」
「なんとか静かなクラス環境にしたいんだ。それは他の生徒にとってもより良い環境に違いない。」
「16歳の男の子の将来がかかっているんだよ。学校が楽しいと言う経験が人に関心を持つことに繋がっていくんだ。」
そう熱く語る男。
ほとん熱いぜあんたは。
しかし、それを進言しろって、あんためちゃくちゃハードルあげるな。
お世話になった校長先生にそんなこと言えますかいな。
「なんでもっと事前に言ってくれないんですか。」
「30分前に校長先生からお電話をいただいたんだ。とてもお忙しい方だから、僕たちが時間を合わせるのがマナーなんだ。」
「行きますよ。1時間で学校に着きますから。タクシー使って良いですか。あと島から市内までレンタルボート頼みますよ。」
「了解。ありがとう。正門で待っているから。」
程度の悪いアスペルガーな俺、発進!!
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