大学に通っていたけれど、行けなくなった人たち。
そんな人たちの声を聞くと、共通していることがあります。
それは「ぼっち」の辛さです。
大学がはじまった当初は、大学構内に新入生が目立ちます。
昼食時にも学食でひとりで食べている人たちを多く目にするそうです。
しかし、ゴールデンウィーク明けには、その姿が極端に減ってきます。
学食で座って食べていたら、両サイドにグループが座り、賑やかに話し出した。
「早く、ここから逃げないと」とご飯を食べ残して、逃げ出した人もいました。
「あいつは、ひとりぼっちだ。誰からも相手にされない最低な人間。」そう思われているに違いないと思うと、不安が増して、怖くなる。
だれも、そんなふうに言ったわけでもないのに、勝手にそんな想像をしてしまうのです。
グループでたむろしている人たちの前を通り過ぎたら、背後で笑い声がした。
「みんな俺のことを笑っているんだ。」
「寝癖があるのか。おしっこがうまく切れなくて、ズボンの前が濡れている?鼻毛が出ているのか?」
慌ててトイレに駆け込んで鏡を見る。
「わからない。なんで俺のこと笑ったんだ。ふざけるな。あいつら叩き潰してやる。」
絶対に笑われたくないから、同世代に人気の服を探しにデパートの店内を回っていたら、店員のおばさんに声をかけられて、断ることができずに、気付いたら服を買っていた。
今から考えると、デパートの店員に、何て言って断ればいいのかわからなかったので、勧められるままに服を購入してしまったんだ。
高いお金を出して購入した服だけど、自宅に帰って落ち着いて眺めたら、へんな刺繍が大きく縫い付けてあり、着ていけないことがわかり、とても落ちこんだ。
服1着まともに買えない自分は、いかに自分がだめな人間なのか。
周りの連中と大きな差がついていることを自己認識した。
もう手遅れだ!!
死ぬしかないと決断した。
それ以降、家から外に出ることができなくなった人。
全ての人に言えます。
自信がないのです。
自分はだめな人間なんだと思い込んでいるのです。
そんな彼らにまず伝えることは、「大丈夫だよ。」ということです。
でも、そんなことを言っても、信じることなどできませんから、寄り添って一緒に活動しながら、彼らの問題を解決していくことしか支援の手立てはないのです。
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