エントランスの扉が開いたら恐怖の大魔王が出て来なすった。
わきめもふらずに、一目散にトヨタの黒の1BOXカーに向かう。
玄関を出てから、歩数にして20歩程度。
「ドン」とレンタカーの車体を手で叩く。
「これなんだけれど、わからなかったんだね。」
「東大さんは1BOXカーってわかりますか。」
「知らないです。」
「そうだったんだ。」
「でも疑問があるんです。」
「『前の駐車場にとめてある車』と言ったけれど、車は3台しかとまっていないよね。」
「『どの車種かわからない場合は、キーの解除ボタンを押したら、ピッ、ピッと音がして光るんだ。』とも言ったけれど。それは意味がわからなかったのかな。」
「僕が青木さんから聞いたのは、『前にとめてある車』と聞いたんです。だから路上駐車で黒い車を探していました。」
「駐車の定義として人待ち、荷物の積み降ろしのためで5分をこえないものを除くとされているので、5分以内の人の乗り降り、荷物の積み降ろしのための停車は駐車ではないということになり、車の側にいてすぐに動かせる状態であれば駐車にならないということになります。」
「ただし、車から離れてしまうと5分以内でも駐車になるので、違反となります。」
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「駐車違反のことはあまり知りませんか。」
「はい、知らないです。」
「わかりました。ありがとう。」
「僕は事務所に入ってからどのくらいになると思いますか」
「覚えていません。」
「僕がレンタカーを借りてきて、事務所に戻ったのは記憶していますか。」
「はい。」
「しかしそれがどのくらい前かは覚えていないですね。」
「はい、わかりました。みなさん、今から荷物を車に入れてください。」
こんな出来事を通して、東大さんの現状を理解していくんだ。
東大さんと関わって4年と6ヶ月が過ぎた事になる。
1年6ヶ月前くらいから、ようやく心を開き始めてくれたんだ。
毎日スタッフたちが関わったのにもかかわらずこんなにも時間がかかった。
それまでは強い不安とプライドが邪魔をして硬く心を閉ざしていた東大さん。
青木さんはじめ、スタッフたちの思いが確実に通じて、こうして東大さんは変わっていく。
でも、「なぜこういう特性があるという事をご両親は気づかなかったのか」って読者の皆さんは思うかもしれないな。
青木さんに言わせれば、気づかない方が普通らしい。
「じゃあなんで、あんたはわかるんだ。」って聞いたら、「発達障害の事を25年間毎日考えていりゃあ、わかるようになるよ。」って言った。
この特性で東大さんは大学院の研究室での作業で他のみんなからダメ出しをくらったんだ。
ふうー。
大変だな。
青木さんが、大学生時代の東大さんと出会っていて、両者に交流があったなら、違う人生を歩んでいたんだろうな。
おっとっとっと、おいらも程度の悪いアスペルガーな男なんだ。
でも先行く仲間の大変さをこの目で見て、そして感じる事ができる事はとても良い環境に置かれていると感じる。
東大さんは必死に毎日を生きている。
恐怖の大魔王から注意を受け続けても、大きく凹んでも、また明日1日頑張ろうとしてみえる。
その事に対して俺は敬意を示したい。
そしておれもまた、今日1日を精一杯生き抜くんだ。
俺はどんどん変化していくサイヤ人の血を引く男なんだからな!!
東大さんの名誉のためにも、他の人よりもできることもある事を書いておきます。
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