発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

あなたは人のお役に立てるのです。隆

 

 

 

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なんとかハッキリ断ってこの場から逃げ出そう。

そう思っていました。

しかし、目の前のいかつい男が何をしてくるのかわかりません。

 

 

この場は適当に相槌を打つことが無事に帰宅できることだと考え直しました。

 

 

とにかく、僕を攻撃してきたら、「本当におっしゃる通りです。心を入れ変えて、今一度真面目に働きますので今後ともご指導をお願いします。」

 

 

「本日はお会いできて、良かったです。長い期間にわたっての励ましが嬉しかったです。」と言うことは決めていた。

 

 

季節はまだ冬が残っていたにもかかわらず、その男の周りだけは「常夏」のような熱気に包まれていました。

 

 

しかし。

 

 

 

その男は外見と違ってゆっくりとそしてとびっきりの笑顔で、僕にこう語りかけてくれました。

 

 

「大野隆さん、あなたが必要なんです。僕と一緒にやってくれませんか。」

 

 

言っていることがわかりませんでした。

理解できなかったのです。

沈黙してしまいました。

 

 

突然、その男は画用紙を取り出して、僕の目の前に突き出しました。

「あなたが必要です。」

大きな文字でそう書いてありました。

 

 

僕は耳で聞いた言葉を理解することがとても苦手です。

いつも手帳を持参しています。

そしてその手帳に耳で聞いた言葉を書き写します。

 

 

「あなたが必要です。僕と一緒にやってくれませんか?」

今回ばかりはノートに書いても理解できませんでした。

 

 

思わず叔父の顔を覗き込みました。

おじがその男に言いました。

「人のお役に立てますか?」

 

 

「この年まで何もやってこなかった彼が、本当に人の役に立つのですか?」

叔父もよほど不審がったのでしょうか。

 

 

 

言葉を選んでいたのでしょうか…

私たちの周りを沈黙が横たわっていました。

 

 

「その通り。私たちのところに来て貰えばお役に立てるようにします。」

「隆さんの経験は日本の宝なのです。」

 

 

この時はノートに書かなくても気持ちが伝わりました。

叔父の顔をちらっと見たら、涙ぐんでいました。

 

 

想像してなかった展開に驚いてしまいました。

 
 
 
「そんなことでいいと思ってるのか!!」
「お前は人間の屑だ。」
そう説教されると思っていたからです。
 
 
 
どんなにひどいことを言われて、侮辱されても言い返す気にはなれませんでした。
自分でそう思っていましたから。
 
 
 
たった30分程度の話し合いでしたが、僕には数時間にも感じるほど疲れてしまいました。
 
 
その濃い人相の人は「あえてうれしかったです。」と言い残して嵐のように去って行きました。
 
 
そしていつの間にかフィリピンに行くことになっていました。
というより、正直断れない雰囲気でした。
 
 
会計をすませようとした叔父が笑っています。
「あの人朝から、サンドイッチ2人前とスパゲティとウーロン茶2杯もたのんだよ。」
 
 
気がつけば、ひきこもりから30年ぶりに一歩を踏み出すことが決まったのです。

 

 

だれからの声かけも一切無視していた自分です。

気づけば50歳も超えてしまっていた自分。

もういつ死んでしまってもいいやと思っていた自分。

 

 

そんな自分が一歩を踏み出した。

今、生きていて良かったと思っている自分がいます。

この時が全ての始まりでした。

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