いつでも一人暮らしができます。なんせ練習に練習を重ねてきましたから。
ひとりの人の支援のためだけに多くのスタッフが駆り出されようとしているんだ。
たったひとりの為にだ。
青木さんやあつこ先生〜までもが訪問している。
支援の難しさは俺レベルの人らしい。
数年に一人の大変な人らしい。
青木さんは支援を受けるかどうか随分考え悩んだらしい。
「何せ判断する情報が少なすぎだった。」と青木さんは言っていた。
医療の領域なのかそれとも教育の領域なのかは、できるだけ多くの情報をもとにしてサポートセンターは判断を下す。
結果、支援可能と判断して、支援は始まった。
しかもサポートセンターの本部がある名古屋市から随分離れたところにその人が住んでいる町はある。
俺は青木さんに毎日の様にフィリピンでの状況報告をしている。
そして日本サイドの状況も聞き出している。
その人の事を俺は王子と呼ぶことにしたんだ。
王子は自信を失い、生きる気力も残されていない。
1日中寝たきりになっている。
部屋のあちらこちらに幾つもの穴が開けられている。
怒りが王子をそうさせるんだ。
どうして僕が!?
なぜ僕が!?
みんなの背中もとうの昔に見えなくなってしまった。
ひとりぼっちの王子。
独りきり。
思うは昔の栄冠の日々。
でもどんなに頑張っても過去は過去。
あの輝いていた日々はもどってきやしない。
今の自分は見たくないけど、見ざるをえない。
何の希望も見出せない自分の今の姿。
その怒りは母親に向かう。
「お前があの時俺のことを考えてくれんかったから、こうなったんだ。」
「責任を取れや!!」
「俺はこの世に生まれてこなかった方が良かった。死んでしまいたい。今すぐにだ!!」
過去のことを思い出すと、今の最低状況に気づき、イライラが増して、とうとう気が狂った様になってしまう。
もう誰も手のつけようがない。
暴れることでイライラを解消しているんだ。
暴力の裏には、「何とかしたいでももう手遅れだろう。」というメッセージが隠されているんだ。
そのことをわかればそんなに恐れることはないし、慌てふためくこともない。
母よ、恐れるな!!
心配しないでくれ。
こんな時にでも笑っていてください。
母の笑顔は最高支援だ。
だからと言って暴れても何の解決にもならない。
そんなことは本人たちもわかっている。
でも、だれもその回答を王子に示せないことが問題なんだ。
暴れるしかないんだよ。
でしょ。
しかし、世の母親はこう言うんだ。
「暴れたら近所迷惑になるでしょ。」
「警察呼ぶよ。」
ああ、なんてことだ。
どうして世の母親たちは同じ言葉を言うんだ。
母親の口が開けば開くほど事態は混乱していく。
決して、理解し合えない母と子。
ふっふっふ、俺だよ。
17歳の時の俺だ。
「だまれ、くそはババア。ぶっ殺してやる。てめえを殺して、俺も死ぬさ。」
「生きていくことに疲れてしまった。」
「もう希望なんか何もない。死ぬしかないんだ。」
母の一言が引き金となって俺は、母を傷つけた。
取り返しのきかないことをしでかしてしまった。
決まった年齢で学校を卒業し、社会に出ていく。
みんなから遅れてしまったら、どうすれば良いのか世の中の誰も教えてくれない。
それが日本という国だ。
もちろん日本が悪いなんて思ってはいやしない。
悪いのは昔のおいらであり、今暴れている人たちでしょ。
そういえば世間の人たちみんなが納得するんだ。
甘えだってね。
甘えだって?
そうなんだ、俺は甘えていただけなのか?
なんだか涙が出て仕方がない。
神様、どうか母と子が理解し合える様にしてください。
俺にできることはなんですか?
今は勉強で忙しいですが、卒業したら誰かのお役に立ちたいです。
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