僕の住む町ダバオで爆弾が爆発し、子どもに犠牲者が出た。
その時間、僕たちはすでに寝ている時間だが、ダバオの夜は遅い。
子どもたちが家族と一緒に夜の市場に出かけたんだ。
その市場はどちらかというと貧しい人たち向けの市場で、観光客や外国人が行くような場所じゃない。
でも貧しい家庭の子どもたちでも買うことができる値段のものを多く売っている。
なんの罪のない子どもの命が奪われた。
遺体の近くにはおもちゃが散乱していた。
ついさっきまで、きっと楽しい笑い声があちらこちらで聞こえていた夜の市場。
市内の大学生仲間からSNSで連絡が入った。
テロに対抗して、土曜日に全員黒の衣服を一点まとい、市内を行進する。
僕ら大学生もテロに無関心であってはいけない。
僕は何もできない無力さを感じていたので、速攻参加することにしたし、ほかの仲間にも次々メールを送った。
しかし、青木さんに一言言わないといけない。
いや、話せば参加を禁止させられる。
でも、どうしても参加したい。
「偉いね。僕にまず報告をしたんだ。偉いよ、ヒロさん。で、僕の考えは何か言ってごらん。」
「まだ安全ではないので行進には参加しないこと。」
「わかっているから安心したよ。」
青木さんはそう言って電話を切った。
3分もしないうちに、もう一度青木さんから電話がかかってきた。
「もし、自分の子どもが明日行進に参加すると言ったら、ヒロさんは親としてどう思うか?」
もしかしたら、ぼくが行進に参加するのではないかと、青木さんは心配して、もう一度電話をしてくれたんです。
自分の両親の顔が浮かんだ。
親が悲しむことはしてはいけない。
そう自分に言い聞かせた。
翌朝、警察によって、大学生の行進は中断させられた。
僕は部屋で、一人静かに祈った。
「どうか、この世から憎しみ合いがなくなりますように。」と。
僕の祈りが他の人たちの祈りと一緒に神様に届きますように。
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