少し休みをもらいました。
というか、休みなさいとスタッフから言われたんで休んだんよ。
その間、スタッフから励ましのメールをもらった。
青木さんからは、「怒られるようなアルバイトをあえて選んだんだ。何も心配ない。誰でも怒られるようなアルバイだから。」そうメールが来た。
電話でもスタッフと話した。
「お客さんが怒ったのはあなたに対してではなく、そこにあなたしかいなかったからだよ。」
「怒ったら、もう次の瞬間忘れていたり、言いすぎたなと思うものなんだよ。」
そう言ってもらえた。
これは随分と気持ちが楽になった。
そしてまたアルバイトにはいった。
今度のアルバイトは一時間半も電車にのって、そこから歩いて20分のところにある駐車場の草刈りだった。
一人でやる仕事と言われたんで、気が楽だった。
すぐ近くに山があってなんかとてものどかな場所だった。
スタッフからもらった指示書に沿って仕事を開始した。
仕事は簡単なこと。
駐車場の草を刈って側溝のゴミ拾い。
ただそれだけ。
だからめちゃくちゃキレイにして驚かせてやろうと思ったんよ。
ところが簡単やと思っとった草むしりやけど10分もせえへんうちに息切れがした。
足が痛い。
こんなんじゃあ、終わらない。
自分の体力のなさに落ち込んだ。
でもここでまた帰ったらもう僕はダメだと思ったから、とにかく草をむしった。
昼休みも取ることもせず、水だけ補充してかんばった。
なんとか暗くなる前には終わった。
そして証拠の写真を取ってサポートセンターの事務所に送信した。
「キレイにできました。」
「合格です。早く帰ってらっしゃい」と返信が来た。
帰り支度をしていたら、おばあさんがやって来た。
「あんれまあ、キレイになっとるな。あんたがしたんか」と聞かれたんで、「はい」と答えた。
「他の人は」と聞かれたんで、「僕一人です」と答えたら、「一人で1日でやったんか」といったんで、「はい」と答えた。
「頑張ったんやなあんた。」
そう言って、何か手渡された。
何ですかと聞いたら、「今日のてまちん。」と言った。
「またあんたにお願いするわ。」
「お名前なんとおっしゃるの」と聞かれたんで「大統領」と答えといた。
少し、ボケが入ったおばあさんやった。
帰りの電車のなか、名古屋にだんだん近づいてきたら、自分の姿に恥ずかしくなってきた。
靴はドロドロやし、服も汚れとる。
名古屋の地下鉄も僕の横だけ席が空いとったから恥ずかしいんで、寝たふりしたった。
地上に出たら夜やったから、闇に紛れて事務所に帰った。
誰もおらんと思ったら青木さんもスタッフもいてくれて、玄関まで迎えに来てくれた。
「頑張ったな。遠いところまで」
そう言われた自分が誇らしく思えた。
「◯◯二等兵、任務を遂行して無事帰還いたしました」そんな感じやった。
駐車場のことはどこかへ行ってしもうとった。
2015年の夏。
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