きれいなお姉さんは好きですか? 「はい、大好きです!!」
今回おれが夜中にでかい声を出したことで、近隣住民を不安にさせてしまったことを、青木さんは大学側に事情を説明し、納得してもらった。
スタッフが言った。「先手先手が大事」だって。
今回突貫工事で「ヒロのボランティア履歴」なるものを作ってもらった。
約7年間おれはフィリピンでボランティア活動に従事していた。
その記録を紙芝居みたいにして、大学側への説明材料としたんだ。
もちろんボランティア活動なんて呼べるようなたいそうなことはしていない。
ただ、金魚のフンのように青木さんたちにくっついて行っただけだ。
正直ボランティアが嫌で嫌で仕方がなかった。
だって匂いがハンパねえんだ。
説明のしようがねえほどくせえ。
「くせえ、くせえ」としかめつらでグズグス言っていたら、ボランティア団体のスタッフから「お口チヤック」って言われてしまった。
ますます気持ちが下がり挙句には荷物をほっぽり出して逃げたこともある。
覚えている話があるんだ。
「Tシヤッめちゃくせえ!!」とデカイ声で叫んでいたら、「ヒロさんちよっと」と青木さんに言われて別室に一緒に行った。
そしてこんな話を青木さんはしたんだ。
青木さんが障がい児のキャンプのお世話係りをしていた時、一人の子どもが気分を悪くして、吐いてしまったんだ。
その子どもは世話をしていた青木さんめがけて、勢い良く吐いてしまった。
その日は青木さんがその会場で講演をする日でもあった。
もちろん替えの服なんか用意していない。
青木さんに取って、大勢の前でアピールする絶好の機会なので気合が入っていたらしい。
謝るお母さんに「大丈夫ですよ」と言ったものの、顔はどう見てもがっかりな表情をしていたらしい。
青木さんが従事していた大先生が、ちよっと話をしようと別室に連れて行った。
「お母さんの目を見て、吐けたから、楽になれたかな。」とニコニコ顏で話しかけるともっとよかったね。
「汚れは洗えば落ちる」
青木さんはすぐにその障がい児の子どものところへ戻って、「気分はどう」とニコニコ顏で話しかけたんだ。
その話を聞いてからおれは「くせえ」とか「汚ねえ」とか言う言葉を言わなくなったんだ。
お口チヤックでボランティア活動をしている。
程度の悪いアスペルガーで、IQ80の男でも青木さんの話はわかったんだ。
くせえのは事実だけれどな。
おれみたいな程度の悪いアスペルガーな男は誰かに何かをしてあげることを考えるんだ。
いつも何かをしてもらおうなんて考えたらダメなんだ。
人様のお役に立ちたい。
おれしかできないことがある。
誰かのためのボランティア活動なんかじゃない。
俺自身の為へのボランティア活動だったんだ。
決まった!!
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