緊張するとのどが乾くんだ
スタッフから連絡があった。
青木さんの事を大げさに書いてはいけないという事。
注意を受けた。
でも、言わせてもらえば、フィリピンのスタッフでチエックを受けた後、ブログをUPしているわけですからね。
文句があるならスタッフに言ってください。
で、いつもチエックしてくれているフィリピンサイドのスタッフが俺に謝ってきました。
わかりましたよ、気をつけりゃあいいんでしょ。
はい、はい。
で、青木さんにも一言謝っておかないといけないと思い電話した。
がっくりした、俺たちのブログあの人読んでねえんだ。
あんたが真っ先に読まんでどうすんだ。
「今読んでくださいよ、スタッフに怒られた俺の事も考えてくださいよ。」
「読んだよ、もう少し引き算して書くと良いね。」
「で、青木さん、あんたはどう思った」
「うーん、読む人が青木さんはひどい状態なのに代表として支援しているのかって不安に思うんじゃないかな」
「じゃあ、俺の文章はくそだという事なんだな」
「そうは言ってないよ」
「他にこのブログを読んでくださっている人たちから、励ましのメッセージがくるんだから、君の文章はよくわかるんだよ」
「書き続けていいという事なの?」
「もちろん!!」
「当事者の今抱えている問題や考えを知るブログは僕が知る限りでは君たちのしかないよ」
「そういう意味でも貴重だな」
「で、話は変わりますが、あんた最近何を考えているんだ」
「何を考えている?」
「何か新しい事をするかとか、最近おもったこととか教えてもらっても良いでしょ」
「最近かあ」
「うーん・・・」
「最近ねえ、うーん、最近かあ・・・・」
「なんもねえの?」
「何聞きたいの?」
「何でもいいさ」
「何でもいい?何でもいいかあ,何でもねえ・・・」
「はぁ、あんたもしかして、眠てえとか!?」
「考えていているんだよ、君と共有できる話題だろ?」
「ブログのネタにするんだ」
「ブログのネタか、ネタねえ・・・」
「何か聞いてもらえると答えやすいな」
「あの、20年ひきこもっていた人今どうなの」
「どうなの?どうなのかあ」
「おい、さっきからきいてりゃあ、同じ言葉ばかり繰り返しやがって、いいかげんにしろよな」
「俺をおちよくってるのかよ」
「ごめんな。そうだよな、こんな言い方はイライラするね。悪かった」
「いやあ、まあ、ほんとに、20年間無駄だったということな」
「でも、普通20年間家族以外誰とも会わずに、家からほとんど出ていないと、足腰がおかしくなって、歩行もまともにできないはずだけどね」
「スタッフから聞いたよ、歩けるんだよね、」
「本人に聞いたら、早朝5時に家の近所を毎日歩いていたんだって」
「家族は知らなかったという事?」
「そういうことな」
「はぁ??????」
「うん、はぁ、だよね」
「でもえらいよね、本人さんわかっていたんだ、運動機能が低下するって」
「そうなんだよな、わかっていたんだよ。」
「20年間で少なくとも保健所くらいにはご両親が相談の電話を入れるんだけどな」
「何もない?」
「そう、何もなし」
「もちろん、ご自分のお子さんだから大切だと思っていたし、なんとか我が子をと思われたんだろうけれどね」
「何もしてこなかった」
「そう、結果的には何もしてこなかった」
「可哀想だね、その人」
「そばで寄り添っているスタッフが泣いてたってほんと?」
ぼそっと、休憩時間に、本人が「毎日が退屈だったな、寂しかったな」って独り言を言ってみえたんだって。
それを聞いたスタッフが泣いたって言う事だろ。
「俺でも、泣きはしないけれど、ぐっとくるもんはあるな」
「悲しいね」
「そう悲しいな」
「何にもなかったんだよね、楽しい事、わくわくすること20年間ね」
「そう、何もなかった。毎日が同じ日々。ヒロさんはわかるでしょその気持ち」
俺は、昔の事を思い出した。
今、俺には彼女がいる。
俺の事を気にかけてくれている人がいるという事実。
大学のクラスメイトと授業と授業の合間のコーヒータイムでのバカ話。
テストが終わった後の友達との交わり。
そして、ボランティアを通してのフィリピンの貧しい子どもたちとの交わり。
日本に帰れば、こんな俺の話を聞いてくださる人たちもいる。
今本の出版の準備もしている。
楽しい。
生きていて良かった。
この俺がいる社会はそんなに悪い場所ではない。
夢もある。
就職して自立するという事。
結婚して家庭を持って、子どもを育てる。
そして、昔の俺みたいな人たちに希望を見せてあげたいとも思っている。
「青木さん、その人が笑顔を出せるように、どうか頑張って支援してください」
「本人は、今までの遅れを取り戻すかのような勢いで毎日支援センターで過ごしているよ」
「来年にはフィリピンのボランティアツアーにも行きたいって」
「問題は、ご両親だな」
「今から頑張っても、年が年だから将来に希望はないので、現実を見るように言ってほしい」
そうご両親は言っているんだよ。
「どうしようもないな。そこまでいくと、ひきこもりは作られたんだよね、親にね、そういうことでしょ」
「まあ、一番驚いているのがご両親だろうね」
「なにせ20年近く、家でじっとしてきたんだから、今頑張っているのも一時的なもんで自分の現実を知ったら、また元の状態に戻る」と思ってみえるんだ。
「浦島太郎っていうことか」
「でも、サポートセンター名古屋の見方は違うんでしょ」
「違うね。1年後、2年後の当事者の事を考えただけで、わくわくするよ」
「要はこのひきこもり問題の根っこは、ご両親がどれだけ理解できるか何だな」
「そう、その通り。当事者への支援はそれほどは難しくはないんだよヒロさん」
「ご苦労さんです。お体気をつけて頑張ってくださいな」
大学はまだ休み期間です。
大統領みたいにしゃれたカフェにはいけない俺です。
気持ちがめいったので、たこ焼き食いに行ってきます。
バカ食いしてやる!!!
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